『一緒に帰ろうって言ったじゃん』

『一緒に帰ろうって言ったじゃん』

どうしていってしまったの?──────────────[待ち時間:30分]坂のうえから鐘がひびいている空中で沢山のビニール袋が泳いでいる下駄箱に黄昏色のひかりが差し込むまだ髪の毛の艶やかなこどもたちの笑い声が遠くからきこえる藍色とくらいオレンジの混じり合った終わりに似た景色わたしは前にもこんな空を見たことがあった振り返ってはいけないとわかっていた『あらゆる過去。』『幽霊のようなきみ。』『聴きたくもない正解。』『全てのおわり。』[1時間]サイレンなんて鳴ってやしないのに(わたしはどうやって帰ったの?)…[2時間]『あんたがおいてったんだ。わすれたものぜんぶ。』…[3日目]空中で沢山の******が泳いでいる…[終わり]思考の欠片や真実が空き缶のように転がっている。もっと早く分かって然るべきだった。どうして眠れないのか。どうして帰れないのか。いや、そもそも会話そのものが、はじまりから存在していなかったのだ。わたしはなんでもなく背伸びをして、そうして世界ではじめての、そして世界で最後の言葉を吐いた。「わたしは、これから夢をみにいくんだよ。」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm41112891