『オルフェウスの窓』第3部 ダンス・ダンス・ダンス

『オルフェウスの窓』第3部 ダンス・ダンス・ダンス

ルミ(瀬戸内美八)さんのサヨナラ公演。『ベルばら』ブームの真っ只中に、ルミさんは組替えに継ぐ組替えで、『ベルばら』にはなかなか出演できなかった。ようやく出演できたのは、『ベルサイユのばらⅢ』の最終公演のみ。星組のトップスターに就任して以降は、『海鳴りに、もののふの詩が』『クレッシェンド』で芸術祭優秀賞を受賞、『エーゲ海のブルース』や『心中 恋の大和路』など、名作と呼ばれる作品を上演するも、当時一種のステイタスであった『1本立て』の大作公演をする機会には恵まれなかった。『ベルばら』初演から約10年が経とうとしていた当時は、池田理代子作品のさらなる舞台化、『第2のベルばら』を望む声が高く、そこで選ばれたのが『オルフェウスの窓』だった。ただ、『オルフェウスの窓』は、『ベルサイユのばら』の約2倍の分量となる超大作のため、当時の宝塚大劇場での上演時間内に納めることは難しかった。このため『イザーク編』とサブタイトルを付け、原作をかなりカットした『ほぼ粗筋』のような内容となっている。話の前半となる第1部は約75分、後半となる第2部も短く約45分と、1本立てには珍しく芝居本編が短い。第3部となるショー部分が約30分と、芝居本編とは全く関係の無い『瀬戸内美八サヨナラ公演』に特化した内容となっている。当時、宝塚歌劇の東京公演は、通年公演ではなかったため、公演月の巡り合わせでは、東京公演がない組もあった。その公演月の関係から、ルミさんのサヨナラ公演は東宝から始まり、大劇場が最終公演となる珍しいパターンとなった。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm41563546