「ピロリ菌」胃がんの発症リスク高める遺伝子変異 複数発見

「ピロリ菌」胃がんの発症リスク高める遺伝子変異 複数発見

2023年3月30日 6時47分 医療・健康大規模な遺伝情報の解析の結果、「ピロリ菌」感染による胃がんの発症リスクを大きく高める遺伝子の変異を複数発見したと、理化学研究所などの研究グループが発表しました。これらの遺伝子変異がある人は、ピロリ菌の除菌による、胃がんのリスクを下げる効果がより大きい可能性があるとしています。理化学研究所の碓井喜明特別研究員らと、愛知県がんセンターなどのグループは、国内の胃がん患者およそ1万1000人と、がんではない人、およそ4万4000人の遺伝情報を比較して解析し、遺伝子の変異と胃がんのリスクの関連を調べました。その結果、9つの遺伝子の変異について、胃がんのリスクの上昇と関連があることを発見しました。このうち、乳がんなどの発症と関連がある「BRCA」と呼ばれるものなど、遺伝子の修復と関わる4つの遺伝子の変異は、胃がんの原因の一つ、ピロリ菌に感染している場合、リスクが大きく上昇することがわかったということです。ピロリ菌に感染している人が、85歳までに胃がんを発症するリスクを推計したところ、▽遺伝子変異の無い人は14.4%だったのに対し、▽4つのうち、いずれかの遺伝子変異がある人は45.5%となっていました。ピロリ菌の除菌は、胃がんの発症リスクを抑えるとされていますが、研究グループは「これらの遺伝子変異のある人は、除菌の効果がより大きい可能性がある」としています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42028385