コウシャク

コウシャク

「一般の人気は湧く様であった。五摂家の筆頭である青年貴族の近衛が、総理大臣になったということが、何かしら新鮮な感じを国民に与えたのだ。殊にそれが林銑十郎のような憂鬱な内閣の後だったので、一層フレッシュな感じを近衛に対して抱かせた。恰度大正の初頭に、大隈重信が早稲田の草蘆から起ち上がって内閣を組織した時の人気に似て、しかもそれ以上に明るい感じを与えて人気を沸騰さした。近衛があの弱弱しい感じの口調でラジオの放送などすると、政治に無関心な各家庭の女子供まで、「近衛さんが演説する」といって、大騒ぎしてラジオにスイッチを入れるという有様だった。」岩淵辰雄「大命の近衛公に降下したるは、黒雲堆裡から日光の閃きを眺めたるの如く、近衛がこれを拝受したるは、雲敗れて日輪躍り出したる如く、而して近衛内閣成立の報は、積雲霽れ来りて青天白日を望む心地を、われら国民に与えた。」徳富蘇峰偉大なる原曲様【 sm42070239 】ccs:パンパン 様【 sm42079141 】vocal:ONE

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