三島由紀夫の金閣寺⑤

三島由紀夫の金閣寺⑤

ここに来て、イメージがノルウェーの森になり、そして私の亡き友人のことが思い出される。 ここでは金閣寺の寮を共にし、大谷大学にも通う鶴川、彼は良き友なのだが、二人が大学でも仲良くしていたら他の友だちが出来ないということで、大学で二人は距離を置くことにする。主人公は吃りで友達が出来にくかったが、ある日脚の不自由な柏木にシンパシーを抱き声をかける。しかし柏木は少し捻くれていて、悪知恵で女性と体の関係を持つような人物だったのである。それで主人公も女性と体の関係を持つ一歩手前になり、そこに金閣寺の幻影があらわれ、失敗に終わり、しかも帰った寺では鶴川が実家に帰省中に亡くなったと知らされるのである。 何か広い意味でノルウェーの森にシンクロし、私の昔の出来事にもシンクロするのである。それはもちろんまったく同じではないが、例えばメタファーという意味で似ているのである。さすが三島由紀夫、ものすごいメッセージ性を持つ作家である。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42262806