心が重たくなると、ぼくはいつもピストリウスに、どうか古いブックステフウデのパッサカリアをひいてくれるように、とたのんだ。そんなときぼくは、日暮れの暗い教会の中にすわったまま、このふしぎな、誠実な、自分自身の中へ沈潜したような、自分自身に聞き入っているような音楽に、うっとりとなっていた。この音楽は、聞くたびごとに、ぼくをよろこばせてくれるし、たましいの声を是認する気構えを、いっそう持たせてくれるのだった。引用(ヘルマン・ヘッセ作 デミアンp.188)
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