バッハ:カンタータ第182番「天の王よ、汝を迎えまつらん」BWV182

バッハ:カンタータ第182番「天の王よ、汝を迎えまつらん」BWV182

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=pIXuPhJmEJg )。バッハのカンタータ「天の王よ、汝を迎えまつらん」BWV182は、彼がヴァイマルで宮廷楽師長に就任した1714年に作曲され、この年の「棕櫚の日曜日」にあたる3月25日に初演されました。バッハはヴァイマル宮廷楽師長に就任されるにあたり、新作カンタータを毎月1作演奏する仕事を課されており、そうして作曲された最初のカンタータが本作になります。「棕櫚の日曜日(Palmsonntag)」とは、イエス・キリストが十字架にかけられて死んだ三日後に復活したとキリスト教徒が信じる出来事の一週間前に、エルサレムへ入城した記念日のことで、キリスト教においてはこの日からイエスの死(聖金曜日)を通じて復活(復活祭)の前日までの一週間を「受難週」として特別視しており、この一週間の始まりの日として重視されます。そういう日に演奏されることを前提として作曲された本作は、イエスのエルサレム入城にちなんで「イエスを自らの心の中に迎え入れなさい」といった内容の歌詞が歌われます。全8曲のうち、最初の2曲はロバに乗ってイエスが入城したという逸話にちなんでのどかな雰囲気ですが、続く第3曲から第6曲はイエスの受難を主題としており、第5曲を中心に受難を表す暗い曲調で一貫していて、第7曲の雄大な合唱でようやく受難の暗黒を抜け出し、終曲で第1曲ののどかでのびやかな曲想に戻って、全曲をしめくくります。作曲にあたってバッハがヴァイマル宮廷楽師長就任後の第1作として力を入れたことは間違いありませんが、それでも曲自体は比較的小規模な室内楽の伴奏が付けられており、繊細な作品といえます。アンナ・レイノルズ(アルト)ペーター・シュライアー(テノール)テオ・アダム(バス)カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団ミュンヘン・バッハ合唱団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42322913