バッハ:カンタータ第184番「待ちこがれし喜びの光」BWV184

バッハ:カンタータ第184番「待ちこがれし喜びの光」BWV184

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=soLoeSk5G84 )。バッハのカンタータ「待ちこがれし喜びの光」BWV184は1724年に作曲され、同年の聖霊降臨祭3日目にあたる5月30日に初演されました。しかし、このカンタータはこの日のための完全な新作ではなく、以前に作曲した別の世俗カンタータを改作したものです。当時バッハが赴任していたライプツィヒでは降誕祭・復活祭・聖霊降臨祭は3日連続で礼拝が行われており、それぞれの日に別のカンタータが必要となるため、バッハは作曲に使う労力を節約するために既存の作品を改作する方法を採ったと思われます。元となった世俗カンタータには「BWV184a」の作品番号が便宜的に付されているものの、楽譜の大半が喪失しており、題名も不明です。おそらく、バッハが本作で新たに作曲したのは全6曲のうちコラールの第5曲のみで、あとは第6曲を原曲より拡大した他は曲にそれほど手を加えず、歌詞を教会での演奏にふさわしいものに変更する、いわゆる「パロディ」を行ったと思われます。聖霊降臨祭3日目の礼拝で行われた説教は、ヨハネ福音書の「わたしは羊の門である」の逸話に基づいて、救いを求める人々を羊に喩え、イエスを羊を導く門や羊飼にたとえたものでした。本作の歌詞もそれにちなみ、迷える羊の群れを導くイエスを「喜びの光」とたたえ、イエスによって人々の幸いと祝福が成就すると歌われます。なお、バッハが世俗カンタータを教会カンタータに改作した「パロディ・カンタータ」は本作以外にもいくつかある他、ミサ曲においてもパロディの手法は使用されており、バッハ最後の完成作品であるミサ曲ロ短調においても、パロディにより他の作品から転用した曲が含まれています。リサ・ラーション(ソプラノ)ナタリー・シュトゥッツマン(アルト)クリストフ・ゲンツ(テノール)シュテファン・ローゲス(バス)ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツモンテヴェルディ合唱団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42382239