蚊ユキ 冬

蚊ユキ 冬

「……どうしたの、先生?」呼びかける声に視線を上げる。怪訝そうに私を見ているモエと目が合った。「ははーん、普段飴ばっかり舐めてるからって太ってると思ってたんだ。失礼なの」いや……と言い淀んだ私の両手を掴み、モエはその手を自分の脇腹へと押し付けた。水着を着ている彼女の柔らかで無防備な部分に、指が直に食い込んだ。「見ての通り触っての通り、そんなことないでしょ?」上下の指にわずかに当たる肋骨と骨盤の感触が、そのくびれの柔らかさを際立たせていた。親指で肋骨をなぞる。薄い肌のすぐ向こうに、彼女を守る確かな硬さを感じる。「……ちょ、くすぐったいって、せんせ――」「――そろそろみんな、帰ってくるんじゃない?」頬に手が添えられ、我に返る。モエの肋骨を鷲掴みにしたまま、私はいつの間にか砂浜に膝をついていた。「でももうちょっと、あと少し……まだ、いけるよね? くひひ……」私を見下ろすモエの目がさらににたりと歪む。波の音が遠くなっていく。小指が彼女の季肋部にひっかかる。手は私の意思を離れ、超えてはいけない一線へと近付きつつあった。

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