幼馴染の紡乃世詞音に彼女が出来たと言った話【VOICEROID劇場】

幼馴染の紡乃世詞音に彼女が出来たと言った話【VOICEROID劇場】

ひとつ前の動画とは関係ないです。*概要欄にはネタバレが含まれたり含まれなかったりしています。 紡乃世詞音といって思い浮かべるのは、高校一年生初夏のあの出来事。私は、その日大変浮かれていた。その理由が隣にいる一人の美少女である。琴葉葵。青みがかった髪を持つ美しいその少女は、その日、私に愛の告白をしたのだ。そして、私はそれを受け入れた。言ってしまえば、それだけの動作。ただ一言、二言の言葉の応酬。それだけ。それだけで私の胸は早鐘のように高鳴り、沸騰した血液を全身にめぐらす。彼女の真っ赤に染まった顔を見れば、それが私一人だけのものではない事は明らかで。そこから後は夢のようにふわふわしていた。きっと脳まで熱でやられてしまったんだろう。帰路につき、電車に乗って、途中のハブ駅で別れる。「私、こっちだから」葵はそう言い、名残惜しそうに手を振る。「また、明日、学校で」 「やあ」そう声をかけられたのは、分かれた直後である。圧倒的に聞きなれたその声。多分、家族の次に聞いたことの多い声……。「アリアルさんだよ」 目の前にいたのは白髪の美少女。「いや誰だお前ーーーーーー!」 思わず叫んだ私に少女はきょとんと首をかしげる。「このアリアルさんを知らないだと!? ほら、よく見たまえこの顔を!」 そうはいっても、まったく見覚えが無い。「良い顔だろう!」「知るか――――!!!!!!!」 これは関わってはいけないタイプの人間だ。そう判断して踵を返そうとした私であったが、その動きは途中で阻害された。アリアルが、袖を引っ張ったのである。「何?」「いや……実はだね……私にはそれはそれは可愛い妹がいるのだが」 聞いてもいないのに、家族情報を開示してくる少女。「その……彼女と待ち合わせをしているのだが、どう行けばいいのだろうか?」 迷子だった。

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