(sound only)マグリット「人間嫌いたち」【ずんだもんが名画でひとりごと】

(sound only)マグリット「人間嫌いたち」【ずんだもんが名画でひとりごと】

(編集後に著作権的に使えないと気付きました)みなさんどうも、ずんだもんなのだ。今日ご紹介するのはこちら。ルネ・マグリットの「人間嫌いたち」どんよりとした平原に巨大な黒いカーテンが立ち並んでいるのだ。タイトルも相まって何やら不気味な絵なのだ。この絵が描かれたのは1942年。マグリットはベルギーの画家なんだけど、当時のベルギーは第二次大戦の真っ只中。戦時中の重く苦々しい雰囲気が滲み出てる気がするのだ。この絵の重苦しさはどこから来ているのか。「カーテンの役割」「やたら広くて怖い」「一本だけ生えてる木の役割」コレらの観点から僕なりに考察していくのだ。まず「カーテンの役割」について考えるのだ。カーテンは窓とセットで使う道具だけど、その性質は窓と正反対なのだ。窓は光を部屋に入れたり、換気をしたり、部屋の内外を繋ぎ開放させるものなのだ。一方カーテンは光を遮ったり、部屋を外から見えなくしたり、窓が持つ開放性を打ち消すものなのだ。タイトルの「人間嫌いたち」とは、戦争によって心の窓をカーテンで閉めて他者を信じられなくなった人たちだろうか?つぎにこの絵が「やたら広くて怖い」ことについて考えるのだ。この絵では地平線の彼方にもカーテンたちが立ち並んでいるのだ。この小さなカーテンたちがあることでこの絵の怖さは増幅されているんじゃなかろうかなのだ。カーテンは手前ほど密集しており、奥に行くほど分散しているね。ということは、地平線のさらに奥にも無数のカーテンが立ち並んでいるのかも。地平線上に小さいカーテンを描くことで、地平線のさらに奥の景色を想像させてるのだ。この絵がやたら広く感じるのは鑑賞者の想像を誘発してるからだと思うのだ。最後に「一本だけ生えてる木の役割」を考えてみるのだ。僕が思うにカーテンと正反対の存在なのだ。この木がなかったらこの絵の味わいはまた違ってくるだろうなと思うのだ。カーテンは真っ黒な人工物で、部屋の外の風景を隠すものなのだ。一方の木は緑の葉を持つ自然物で、部屋の外の風景の一部なのだ。カーテンが人間嫌いの象徴だとすれば、この木は正反対で、人間を信じてる人の象徴なのかしら?戦争によって人間嫌いが多数派になっていく中でもまだ人間を信じる人が消えたわけじゃない。まだ人間を信じたい。そんなメッセージがあるのかもと僕なりに思ったのだ。マグリットの戦時中の絵はこの絵みたいに暗かったり、あえてカラフルで印象派風にしてみたり、激しい筆遣いになったりとある意味マグリットらしからぬ絵が多いから興味ある人は調べてみるといいのだ。本日はこの辺で。僕は人間嫌いではない。作品 マグリット「人間嫌いたち」語り WEB版voicevoxずんだもんBGM nc182222

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42739813