ホッホッホ!見てごらんなさい!美しいサーモンピンクですよ!ザーボンさん!ドドリアさん!ホッホッホ!

ホッホッホ!見てごらんなさい!美しいサーモンピンクですよ!ザーボンさん!ドドリアさん!ホッホッホ!

俺は退屈さを感じていた。フリーザ様の傍でお仕えするのが俺の役目だが、もう一人、ドドリアが居ない。まあ別に奴がいなくても仕事に支障が出るわけではないが…(前にケツメド星に地上げ行ったときによ、変な果実が生えてたんで部下に試食させたら涙流して転げまわってやんの!聞いたら死ぬほど酸っぱかったんだってさ、ハハ!)(休暇にパイパイ星に行ったらレべチな美人が多くてよー…)(この船のサバカレー定食はハズレだぜー、ここだけの話…)他愛もないあいつの雑談がなぜか繰り返し再生される。なんと言うか、居たら居たでなんともないが…「気になりますか?ザーボンさん」フリーザは鞭のようにご自身の尻尾を床に打ち鳴らし、ボーっとしてた俺の名を呼んだ!いかん、大切な業務の最中に…!「も、申し訳ありません!しかし側近など、私だけで十分…!」「私はこの部屋の模様替えをしたんですがそれが気になってると思ったのですが…」「ハッ!?」「そーですか…」フリーザ様は目を見開き、俺に命じなされた。「今日これからドドリアさんの見舞いに行きなさい。流行りの宇宙カゼのようですからこの特効薬も持っていくように」「フリーザ様…!」私は薬ももらうと、空いているポッドに乗り込み、病院のある星まで飛んで行った…「労働力がいつまでも寝込んでると困るんですよ、全くね」「入るぞ、ドドリア」病室のドアを開けると不機嫌そうにベッドに横たわるドドリアの姿があった。「お、お前が来るなんて思いもよらなかったな…」「俺も来るとは思わなかった…」俺とドドリアは他愛もない会話を交わした…病院食がマズイだの、ナースがイマイチだの、咳がキツイだの…その話を聞いて俺はフリーザ様からの薬とドドリアの故郷から取り寄せた果物を渡した。「フリーザ様からこんなものを…それにお前から故郷の食いもんまで…」「食に退屈してるって思っただけさ」「ハハ、俺が常に食い意地張ってるヤツみたいじゃんか!」「実際そうだろ」「違ェねぇ」来た時よりドドリアに活力が戻ってきてるような。少なくとも俺はそう感じた。こいつとまた一緒に働くのは、今までだったらなんとも感じてなかったが普段通り働けるんだろうか…「ご心配おかけしました、フリーザ様」「休んだ分は働いて返してもらいますよ、ドドリアさん」元気になったコイツとまた働く…普段通りのはずなのだがちょっぴり違和感を感じた。「少し用事で出ますから、しばらく待機しててくださいね」フリーザ様は部屋を出ていくとドドリアと俺、二人きりになった。「ザーボン」俺の名が呼ばれた。なぜだ、少し緊張が走る。「え…?」「この前の見舞い、アリガトよ!ちゃんと礼言ってなかったろ!」なんだそんな事かとフウと息を付いた。「気にすんなよ、相棒」部屋の窓から見える星々の1つ1つが、いつもより眩しく美しく見えたのは、コイツも同じなんだろうか―

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42744289