ジャパニーズ・ウイスキー100周年、業界に「クラフト」の波 国内蒸留所は10年で倍増

ジャパニーズ・ウイスキー100周年、業界に「クラフト」の波 国内蒸留所は10年で倍増

日本のウイスキー生産は今年、100年の節目を迎える。業界大手のサントリーが1923年、京都府南西部の山崎に国内最初の蒸留所を開設した。それから一世紀を経た現在、日本国内には100以上の蒸留所が存在する。独立系の「クラフト蒸留所」も続々と誕生し、その数は過去10年間で2倍に増え、急速に拡大する市場の中で存在感を高めようと互いに競い合い、他との差別化を図っている。薪にこだわり、炎にこだわり、こだわりのウィスキーを作る――静岡蒸留所の特徴の1つは、スギの薪の直火で蒸留しているという点だ。同蒸留所によれば、このスギはアロマテラピーや温泉でも使用される香りのよいもので、これは世界でもほかに例がないという。   ジャパニーズ・ウィスキーに対する熱狂が世界に広がる中、日本では独立系の「クラフト蒸留所」が続々と誕生しており、他との差別化にしのぎを削っている。中村大航さんはスコットランド旅行をきっかけに2016年、静岡蒸留所を設立した。静岡蒸溜所 中村大航さん「初めて本場の蒸留所を見て『すごいな』と感動して、本当に小さい田舎の山の蒸留所であっても世界中でウィスキーを販売しているというのを知って、自分もウィスキーを作って世界中で販売してみたいと思いました」  日本のウィスキー業界は、常に活況というわけではなかった。サントリーが1923年、山崎蒸留所を開設してから今年で100年。日本のウィスキーは長年、「スコッチの劣った模倣品」と見なされてきた。だが2000年代に入り、国際的な賞を獲得し始めて世界中で需要が高まり、2015年頃までには供給が枯渇し始めた。供給不足から価格は急騰。一方、静岡蒸留所をはじめ新規参入が続々とみられた。現在、国内の蒸留所は100以上を数える。そしていま業界に変革をもたらそうとしている。都内にあるこちらのバーには、様々なウィスキーの銘柄が並んでいる。オーナーの新海博之さんは、大手メーカー以外のブランドにも目を向けるお客さんが増えていると話す。BAR新海 新海博之さん「大手、サントリーさんとかニッカさんのウィスキーというのは皆さんもうすでにご存じで、そちらを飲まれるお客さんももちろんいらっしゃるのですけども、あとはうちの方で熱心に取り扱っているのがクラフト蒸留所で、秩父ですとか厚岸、静岡、嘉之助など、そういったものに関心を持って飲んでくださるお客さんも増えています」業界最大手のサントリーは今年、山崎を含む複数の蒸留所を改修するために100億円を投資すると発表した。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43075562