聖者の行進 第1話

聖者の行進 第1話

『高校教師』、『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』、『未成年』に続いて野島伸司が脚本を手がけた『TBS野島伸司シリーズ』の第4弾。野島の強い人間だけが生き残ることの出来る現代社会に対するアンチテーゼ作品でもあった。内容は茨城県の水戸市で起きた水戸事件(通称・水戸アカス事件)を基にしたもので、題名は純粋な心を持つ知的障害者達を聖者になぞらえるとともにドラマ内で演奏するジャズナンバーの「聖者の行進」からとられている。当作は暴力や強姦といった過激な場面が多く、放送当時は主演を務めたいしだ壱成が後に「当時TBSの電話が鳴り止まなかった」と語るほどに視聴者からの苦情が殺到しており[1]、スポンサーサイドからも内容を問題視され、トヨタ自動車とキユーピーはCMの放送は行うも提供クレジットを取りやめ、三共(現・第一三共ヘルスケア)が「薬で暴力を肯定出来ない」の理由で降板し、穴埋めCMとして公共広告機構(現・ACジャパン)に差し替えられる事態に発展するなど、物議を醸した作品としても知られている。野島作品の中でも『高校教師』などと並んで野島の演出方針を疑問視する声の高い作品の一つであった。本作は安定して視聴率20%台前後を出していたものの、放送当時から問題視された内容が年々厳しくなる放送倫理に適合しないことや、放送終了後にいしだや酒井法子が不祥事を起こしたことなどから、地上波・衛星波含めて再放送は行われていない。一方で、ビデオソフトに関しては2003年にDVD-BOXが、2019年にBlu-ray BOXがそれぞれ発売されており、配信についても2022年3月15日より動画配信サービス「Paravi」にて配信されている[2]。なおU-NEXTなどのネット配信媒体では、内容の観点から冒頭からホワイトバックに黒字で「このドラマは、知的障がいのある主人公たちが希望を見出していく物語です。本編内には、暴力的なシーンや障がい者を揶揄する表現、性的暴行、自殺など視聴者が不快に感じる場面が含まれています。当時の制作意図を尊重して配信しますが、過去に辛い経験をされた方は、視聴を避けるか、信頼できる方と一緒にご覧ください。これをきっかけに問題意識が高まればと考えております。」というおことわりテロップが表記される。主演を務めたいしだは、後年YouTubeにて第11話の裁判シーンを再演している。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43265671