VSマッド・レイサ

VSマッド・レイサ

「あ!先生!おはようございます!」そう言って彼女は元気よく入ってきた。彼女は宇沢レイサ。トリニティで自警団活動を行っている。私の大好きな生徒だ。いつものような感じで挨拶をしてシャーレでの仕事を始める。しばらくして休憩を入れようかと考えていた時、彼女のスマートフォンから通知音が鳴った。彼女は少し慌てた様子で返信をしている。彼女のその様子を見て私はなんとなく気になってしまい話しかけた。恥ずかしそうにしながらその質問に答えてくれた。最近付き合い始めた彼氏がデートの予定を相談してきたというのだ。レイサは少し照れながら幸せそうに話をしていた。が、自分の心は何故かモヤモヤしていた。まるで何かに縛られているような感覚だ。それを奥底にしまい込んで私は彼女に祝福の言葉を送る。彼女は嬉しそうに笑う。素敵な笑顔だ。午後になるとレイサは帰り支度を始めた。どうやらこれからデートに行くらしい。私も仕事がひと段落したのでせっかくだから途中まで着いて行くことにした。その途中、レイサはニコニコしながら彼氏の話をしていた。相手のことが本当に好きみたいだ。私も笑顔で相槌を打ちながら話を聞いていたが、心の底では違うことを考えていた。(ああ、羨ましいなぁ)そんなことを考えていると彼女が心配そうにこちらを覗き込んでくる。しまった顔に出ていたのか。慌てて取り繕ってみせるも彼女の顔は心配そうなままだ。結局気まずいまま別れることになってしまった。さようなら、宇沢レイサ。帰るとソファに倒れ込むように横になり、そのまま次の日まで眠ってしまった。私は仕事を始めようとすると電話が鳴った。レイサからだった。私は急いで電話に出る。昨日のことを謝ろうと思ったが、彼女の一言でそれはできなくなった。なんと昨日彼氏と別れたらしい。流石に心配になり会いに行くことにした。指定された場所に着くと既にレイサの姿があった。彼女は泣き腫らした顔で私を見つけると走り寄って悲しそうにしている。よかったこれでレイサはどこかへ行ってしまうことはないんだ。そう思った瞬間、私の心の中に何かが芽生えた。(なんだ……これ……?)レイサは彼氏のことを語る。あんなに好きだったのに嫌われてしまったことをひたすら悲しそうに話し続ける。美しい。私は耐えきれずに彼女を抱きしめた。彼女は驚いて私を突き放そうとするがその力はとても弱々しいものだった。だから私は彼女を抱きしめる力を強める。そして彼女の耳元で囁いた。「君が好きだよ」すると彼女の体がビクッと震えた。ーーーこれを投コメにしようと思うんだけどレイサはどう思う?「きも」私は窓から身を投げた。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43326212