ヘタリア 祖国の恒例歌謡ショー【渡る世間は列強ばかり】

ヘタリア 祖国の恒例歌謡ショー【渡る世間は列強ばかり】

ヘタミュ恒例の名物の一つは間違いなく、我らの祖国の昭和臭プンプンな歌謡ショーだと思います。しかも扱ってる歌詞が基本、史実系なので、あくまでもセンシブルにならないようにシュールギャグという絵面の八ツ橋に包むという徹底ぶり。真剣に歌唱する祖国(普通にカラオケで歌えそう)に対して、バックで繰り広げる面々の寸劇のギャップのカオスさが癖になります。あと、普通にサイドに控えて踊るバックコーラストリオ組と手を振るバンド組も、とても可愛らしくて良き。ところでシュールギャグな背後の寸劇中でのイタリア君の「そんなこと言ったって仕方がないじゃない!」と中国さんの「物真似から変顔になってきているのよ!」という台詞が実に象徴的で意味深です。この二つのセリフをわざわざ観客に明確に聞こえるように、歌に挟み込んだきたところに、制作側の隠された真面目な演出の意図を感じてなりません。あくまでイメージ(笑)な、【ドラマ撮影】という体の寸劇での、イタリア君があまり彼らしくない振舞いをしているのは、寸劇中の彼はあくまでも【イタリア】ではなくて【日本】を表現しているからですね。歌詞が日本の掲げる【理想】と【心意気】だとすれば、寸劇中のヘマをしまくりなのが、様々な困難にぶち当たって迷走している当時の日本の、第三者から見た【現実】の姿なのかもしれません。おかんか彼女みたいにイタリア君を心配して様子を見に来て、彼に追い返される役のロマーノ君は、開国で置き去りにしてきた、かつての日本固有の【伝統文化】の象徴なのでしょうね。居酒屋を営み、お客(モブ=列強)を接待している女将役の中国さんは、言わずもがなの状態。「お前もかかってこいよ!!!」とイタリア君がキレて中国さんにも食って掛かる構図は、後に勃発する日清戦争の暗示でしょう。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43534511