Ep.05 "約束" / 星界

Ep.05

これは遠い夢の話。それは多分、遠い夢のこと。これはきっと、誰も知らない夢の話。そこには一面の星空が広がっていた。風は少し冷たくて、木々が微かに揺れていて、虫の声が響いていた。凄く綺麗な星空だった。都会にいたら、一生見れないような、ただただ、すごく綺麗な星空だった。そこには私と誰か、ただ二人だけだった。たった二人だけ、手を繋いで、何も言わずに座っていた。ぼーっと空を眺めていた。…明日が怖かったんだと思う。明日になるのが怖かった。まるで、世界でただ一人きり。退屈で窮屈な世界に生きていた。希望なんて見いだせなくて、生きてる心地がしない、そんな毎日。世界はとても冷たくて、やさしさもどこかへいってしまって。そんな感じだった。あなたもきっと、そうなんだろう。…でも、一人じゃなかった。あなたと出会って、そこにはあなたがいて、それだけがただ、あたたかかった。それが少しだけ、うれしかった。明日が怖くても、いつかは夜が明けてしまうんだろうな。この星空だって、ずっと見てられるわけじゃないんだろうな。ずっと夜だったらいいのに、なんて。そう思っても、仕方ないけど。…でも、あなたがいてくれるのなら、それでもいいかな、なんて。強くなれないけれど、そう思えたんだ。もしも、この世界で、いつか笑えるのなら。幸せだと思えるのなら。そう思える日が来たらいいな。そう願った。夜が必ず明けるように、もしも、いつかあなたと離れてしまうとしても。なぜか、また巡り会えるような気がしたんだ。これは遠い夢の話。これはきっと、私の空想の思い出の話。_______Lyric遠い夢を見た星空の下 ただふたりきり明日を嫌って 目をそらすようにただ空を仰いだたとえ世界が冷めたものでも繋いだ手と手は暖かくて幸せなんて言えないけれどそれでいいと思えたんだ遠い夢を見た星空の下 笑ってる君もしも世界で笑えるのならきっとその時は…

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