<マル激・後半>ロシアとアメリカは新たな冷戦に突入しようとしているのか/小泉悠氏(東京大学先端科学技術研究センター特任助教)

<マル激・後半>ロシアとアメリカは新たな冷戦に突入しようとしているのか/小泉悠氏(東京大学先端科学技術研究センター特任助教)

 20世紀後半の国際秩序を支配した東西冷戦が終結して約30年。世界は再び新たな冷戦時代に突入しようとしているのか。 先月8日、ロシア北部のアルハンゲリスク州沖の軍実験施設で5人が死亡6人が負傷するという爆発事故が発生した。直後から近隣の町セベロドビンスクで高い放射線量が記録され、ヨウ素剤を買い求める住民の姿などが確認されたことから、軍事専門家の間ではロシアが開発中の新兵器・原子力巡航ミサイル「9M730ブレヴェストニク」の実験中に何らかの爆発が起きたとの見方が有力となっている。 原子力巡航ミサイルは昨年18年3月にプーチン大統領が米国のミサイル防衛計画に対抗するために発表した6種類の新型兵器のひとつで、実現すれば事実上半永久的に飛び続けることができるため、普段からこれを多数飛ばしておけば、仮に核攻撃を受けて自国の核兵器が無力化されても、予め飛ばしておいたミサイルによる反撃が可能になるという夢のような兵器だ。ロシアは他にも水中ドローン兵器「ポセイドン」や音速の10倍の速度で飛行できるミサイル「キンジャール」などの新兵器を開発中、もしくは既に配備しているという。 ロシアによる一連の新兵器の開発は、米露間の新たな軍事的緊張を生み出している。しかも、昨年10月にトランプ大統領がINF全廃条約の破棄を表明し、今年8月2日に失効したことで、両国が新たに核兵器開発競争に突入する恐れが現実のものとなっている。 1987年にレーガン大統領とゴルバチョフ書記長の間で調印されたINF全廃条約は、射程が500キロから5,500キロの中距離核戦力を全面禁止するというもので、人類が初めて特定の兵器を全面的に破棄したという意味で、象徴的な意味も持つ画期的な条約だった。 この枠組みが壊れたことで、ロシアが極東に中距離核を配備すれば、日本も丸々その射程内に入ることになる。それに対抗するためにアメリカも東アジアに中距離ミサイルを配備することになり、昨今の米韓関係の冷え込みなどを考えると、その配備先が日本になる可能性が非常に高い。米露が新冷戦に突入すれば、日本も大きな影響を受けることが必至だ。 しかし、それにしてもなぜ今、再び冷戦なのか。かつての冷戦は自由主義陣営と共産主義陣営のイデオロギーを巡る対立を前提としていたが、今アメリカとロシアが再び軍事的に対峙する必然性はどこにあるのだろうか。・・・ 今回のマル激は、突如として不安定化の様相を見せ始めた国際政治の現状とロシアの世界戦略、INF全廃条約破棄後の世界が安定を保つことができるのかなどについて、小泉氏とジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。前半はこちら→ so35680997 (本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。)

http://www.nicovideo.jp/watch/so35680999

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