ニューヨークの感染者26万超も「氷山の一角」か、抗体検査は270万人示唆

ニューヨークの感染者26万超も「氷山の一角」か、抗体検査は270万人示唆

ニューヨーク州のアンドルー・クオモ知事は「新型コロナウイルスに感染したニューヨーク州住民は公式統計の人数をはるかに超えるという証拠がますます多くなった」と明らかにした。米「タイム」誌が23日付の記事で伝えた。  クオモ州知事は23日の定例記者会見で、住民3000人を対象に実施した新型コロナウイルスの抗体検査の結果、14%近くに陽性反応が出て感染していたと発表。そのうち、約1300人はニューヨーク市内の住人で、その率は21%となっている。 クオモ知事は、もしこの抗体検査が実際の感染率を示すのであれば、州全体では約270万人が新型ウイルスを持っていることになると示唆した。  ただクオモ知事は、今回の結果は速報値にすぎずサンプル量も少ないので、これからサンプル量を増やしたいとの考えを示している。また、陽性者の割合やウイルスに対する免疫を持っている人の割合を知ることは、州政府が一部地域の規制を解き再開宣言をするかに関わってくると述べた。 診断のための検査ではない、抗体検査とは一体なんなのか。  「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、通常の鼻咽頭における検体採取方法とは異なり、新型コロナウイルス抗体を検査する際には血液検査を通して、新型コロナウイルスに触れたことがあるか、免疫反応を起こしたことがあるかを調べることができるという。  州保健局長官のハワード・ザッカー氏によると、今回、州独自に行った検査では、抗体の陽性基準を高く設定したという。ザッカー氏は今回の検査で、被験者が新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうか、感染したことがある場合は回復したかどうかを示すことができると述べた。しかし、完治した人または自己回復した人のウイルスに対する免疫がどの程度保持できるかはまだ不明のままだと指摘した。  ニューヨーク市の14万2000人を含むニューヨーク州の少なくとも26万3000人、新型コロナウイルスに感染しているが、「ニューヨーク・タイムズ」紙の別の記事によると、市保健委員のOxiris Barbot博士は、この数字さえ「氷山の一角」に過ぎないとしている。  「タイム」誌によると、最近、米国のいくつかの地域で感染流行のメカニズムを解明しようとする研究が進められているという。  「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、マサチューセッツ州に本部を置くノースイースタン大学の研究チームは最近、ボストン、サンフランシスコ、シカゴ、シアトル等の大都市での調査から、人々が地元の感染状況の深刻さに気づく前から、新型コロナウイルスの感染がすでに密かに広がっていたとした。  この研究チームの研究者は、世界が中国に焦点を当てた2月上旬に、感染はすでに複数のアメリカの都市で広がっており、そして国内の他の地域に感染源が散らばっていた可能性があると見ている。  研究チームを率いるアレサンドロ・ベスピニャーニ(Alessandro Vespignani)教授は「何千もの感染例が、米国が検査体制の問題に悩まされていた今年の最初の数ヶ月で静かに広がっていた」と述べた。  カリフォルニア州サンタクララ郡の保健当局は21日、新たに、新型コロナウイルスに関連した死亡が2月6日に発生していたと発表した。

http://www.nicovideo.jp/watch/so36750815