武漢研究所「バットウーマン」、新型コロナ研究のタイムラインを詳述

武漢研究所「バットウーマン」、新型コロナ研究のタイムラインを詳述

中国科学院武漢ウイルス研究所の石正麗研究員は、研究所とその研究が新型コロナウイルスの起源となったと非難する陰謀論を却下した上で、研究室で行われた長年の研究によりウイルスの迅速な識別が可能になったと述べ、また、新型コロナ研究のタイムラインを詳述した。 「2019年12月30日午後、サンプルが届いた後、当時「原因不明の肺炎」と呼ばれるサンプルを対象に直ちにコロナウイルスに関する研究を展開した。私が率いるチームは長期的にコロナウイルス研究をしてきたから、同時にDNAシークエンシングと病原ウイルスの分離も行っていた。短時間でコロナウイルスによる感染が確認でき、ゲノム配列を入手した。分析した結果、新たに発見したコロナウイルスは現有のウイルスの塩基配列とは違い、「新型コロナウイルス」と名付けた。 「その後の1月12日に 我々は他の二つの機関と一緒に、WHOに全塩基配列を提出した。全塩基配列は同時にグローバルイニシアチブ(GISAID)というゲノムバンクサイトに公開し、各国政府及び科学者が病原ウイルスの同定・ワクチン開発・治療薬などの開発を推進できるように提供した。病原ウイルスの同定の一部に過ぎない前期の作業を通し、ウイルスの遺伝情報及びカテゴリが特定できる。」 「もうひとつの重要な一環は動物感染実験だ。コッホの原則とも呼ばれる原則に従い、動物感染実験を行い、病気を起こせる病原体同定ができる。初期に積み重ねた経験を活用し 動物モデルを利用し、動物感染実験を短時間で行った。2月6日に遺伝子組み換え実験用マウスの感染実験を完成し、人間が肺炎に感染した症状がマウスに出た。そして2月9日にアカゲザルの感染実験も行った。分離されたコロナウイルスは原因不明の肺炎を引き起こす、病原体だということは、この二つの動物感染実験で証明された。」 「これからは今までの作業を続け、未知の病原体を探す。自然界のコウモリ、そして他の野生動物の種類はたくさんある。現在わかったウイルスは氷山の一角。人類が次の感染症流行に悩まされることを未然に防ぎたいのであれば、野生動物が持つ未知のウイルスをみつけ、早期に警告を発する必要がある。また、将来の予防と抑制ができるために、検出・予防・治療用の薬品と検査キットを備える必要がある。自然界には様々なウイルスが存在している。その研究をしなければ、将来また別の感染が起きるだろう」

http://www.nicovideo.jp/watch/so36934032