「西九州新幹線」開業7か月 見えてきた“効果と課題” …「神特典」チケットで対策も

「西九州新幹線」開業7か月 見えてきた“効果と課題” …「神特典」チケットで対策も

ゴールデンウィークは、「西九州新幹線」を利用して旅行や帰省を計画している人も多いのではないでしょうか。開業から7か月がたち様々な課題も見えてきました。◆長崎からの宿泊客“増”去年9月、開業に合わせて誕生した佐賀県の嬉野温泉駅です。市にとっては約90年ぶりの鉄道の駅で、周辺ではホテルの建設や観光施設の整備が進んでいます。通勤客「新幹線ができたので、通勤が快適になりました」観光客「新幹線も乗りたいなと旅行に来ました。リラックスできました」嬉野温泉街にある創業98年の老舗旅館「大正屋」です。大正屋 山口剛副社長「新幹線の開業と10月からの全国旅行支援のおかげで、毎日が大盛況の日々が続いています。やっとという感じです」この3年間は、新型コロナの影響で休業したこともありましたが、直近の宿泊客の数はコロナ禍前とほぼ同じ水準まで回復。西九州新幹線の開業で特に長崎からの宿泊客が増えたといいます。◆課題はリピーター“増”九州経済調査協会によると、嬉野市の3月の宿泊稼働指数は93.8とコロナ禍前の同じ時期と比べても大きく上昇しました。嬉野温泉旅館組合の会長でもある山口さんは、リピーターを増やすことが今後の課題だと話します。大正屋 山口剛副社長「開業1年目は新幹線目的で来られるお客様もいらっしゃるんですけど、2年目が勝負だと思っております。日頃のサービスが今後のお客様につながるので、リピーターを増やしていきたい」RKB原口佳歩「多くの人が訪れている嬉野市ですが、駅から温泉街までの移動が課題となっています」駅から温泉街までは約1.5キロ離れていて、歩いて行くには少し距離があります。観光客の満足度を上げるため嬉野市は自動運転車両の導入を検討中で、先月から駅から旅館までワンコインで荷物を運ぶサービスも始めました。観光客「(実現したら)便利、確かに温泉街までどういくのか分からなかった」◆特急“減”で肥前鹿島駅は一方、こちらは佐賀県鹿島市の肥前鹿島駅です。去年9月の西九州新幹線開業に合わせたダイヤ改正で、45本あった博多行きの特急は14本まで減少。さらに、長崎行きの特急はなくなりました。利用客「本数が少なくなったので、私の場合は博多でどうしても乗り換えなくちゃいけなくて、帰りとか行きとか時間調整が難しくなりました」「普段は(長崎の)大学に行くときに利用、午後からの授業だけど朝早く出ないといけない。前は特急があったので12時とかの特急とかでも乗れてたんですけど…」「上りの最終が早いのが不便かなと、時間帯が合わないとどうしても普通列車に、江北駅からの乗り換えになっちゃいますので」駅前で乗客を待つタクシー運転手も・・・タクシー運転手「(利用客は)かなり減りましたね、とにかくもう桁違いというか…もうまったくですね。とにかく不便で、博多に行くのも不便だけど長崎に行くのも代替輸送なんかまったくないから、そこが問題というか、かなり困ってますね」市内では、鉄道の利用者の減少がさらなる減便につながることを懸念する声も聞かれています。◆鹿島市が「神特典」チケットRKB原口佳歩「こうした状況を受けて鹿島市が始めたのが、特急の利用者に割引などが受けられるチケットを配る取り組みです」鹿島市が、特急を利用して市内の駅で降りた人を対象に配布している「神特典」チケット。祐徳稲荷神社に隣接する博物館の無料観覧やバス・タクシー運賃から300円を割引、飲食店で大吟醸を無料提供するなど、5つの特典から3つを選び利用することができます。・祐徳博物館の観覧料が無料・バス・タクシー運賃から300円引き・レンタサイクル利用料300円引き・日本酒バー「HAMABAR」の飲食代300円割引・飲食店で大吟醸1杯提供これを利用すると、駅から祐徳稲荷神社までのバスの料金は、330円から30円になります。受け取った観光客「もらえました!」「いいですよね」「酒蔵のところとか行ってみたいと思います」鹿島市企画財政課 木原智典係長「特急は3分の1に減ったんですけれども、今後も利用促進をやっていかないと14本、もしくはその後も本数の維持が難しくなる。今のうちからそういった(利用促進の)取り組みをやっていかないといけないと危惧」チケットの配布は5月10日までで、今回の連休中に鉄道の利用客を増やしたい考えです。

http://www.nicovideo.jp/watch/so42160012