“仲間からのメッセージが支え”スーダン退避の川原尚行医師~NPO法人「ロシナンテス」

“仲間からのメッセージが支え”スーダン退避の川原尚行医師~NPO法人「ロシナンテス」

戦闘が続くスーダンから先週帰国した北九州市のNPO法人「ロシナンテス」の川原尚行医師が2日、記者会見を開きました。生きて帰れるかどうか分からない過酷な状況下で、“仲間からのメッセージが支え”だったと語りました。◆「生きて帰れるかどうか分からない」NPO法人ロシナンテス 川原尚行理事長「ひょっとして私の身にも何かあるんじゃないかということは思って、家族に生きて帰れるかどうか分からないというのは伝えていました」2日に記者会見を開いた北九州市に本部を置くNPO法人「ロシナンテス」の川原尚行理事長。戦闘が続くスーダンを退避し4月29日、日本に帰国しました。2006年から「ロシナンテス」が医療支援活動を続けているスーダンでは、4月に軍と準軍事組織の間で軍事衝突が勃発。川原理事長も首都・ハルツームで爆発音を聞いたと言います。NPO法人ロシナンテス 川原尚行理事長「今まで聞いたことのない、経験したことのない爆撃音ですね。私の部屋から爆撃が見えて、見えているビルが空爆を受けたということもありました」◆支えは“仲間からのメッセージ”情勢が緊迫しているとして、日本政府は現地の日本人の国外退避を決定。川原理事長もハルツームから自衛隊機が待つポートスーダンまで、約30時間800キロの道のりを車で移動しました。退避の道中は、睡眠はもちろん、食事もゆっくりとることができませんでした。川原尚行理事長「兵士が急に走ってきて地域が危ないという報告を受けたので、食事もとらなくて車に乗ってくれということで、そこは一番緊張したところですね」命も危ぶまれる過酷な状況の中、川原理事長を支えたのは地元・北九州市の仲間からのメッセージでした。川原尚行理事長「北九州の方々が多くの励ましの声を、実は妻の経由で耳に入っていたんですけれど、応援の声がですね、私の励みとなって何とか頑張ろうということで耐えることができました」◆“停戦への働きかけを”地元に戻った川原理事長。ある料理を食べて自らの無事の帰還を再確認したといいます。川原尚行理事長「母がつくってくれたタケノコを食べたのが、地元に帰ってきたな、ほっとしたなと」川原理事長の穏やかな表情に変化が見られたのは、スーダンの今後について語った時です。優しいスーダンの人たちへの支援活動を今後も続けていくとした上で、日本をはじめとした世界各国による停戦への働きかけを強く求めました。川原尚行理事長「日本人が帰ってきて終わりではない。ロシナンテス、北九州、日本と関わったスーダンの方が苦しんでいますので。(日本は)今年はサミットは議長国ということもあるので、何とか国際協調をお願いしてスーダンの和平に働きかけてほしいなと思います」」◆“平和を願う掛け軸”川原理事長は、10年来の友人だという北九州市の武内市長にも帰国を報告。市民に思いを寄せてもらうため、スーダンに飾っていた平和を願う掛け軸を北九州市内に展示するよう依頼しました。NPO法人ロシナンテス 川原尚行理事長「北九州市民にもスーダンのことを知っていただいて、働きかけをお願いしたい。停戦ができるまで掛け軸を北九州市にかざっていただいて、市民の目に触れるような形にしていただければ」川原理事長は6月に北九州市で、「ロシナンテス」の医療支援事業やスーダン情勢についての講演を行う予定です。

http://www.nicovideo.jp/watch/so42165338