「大惨事招きかねない」福岡空港で相次ぐバードストライク 対策はある?

「大惨事招きかねない」福岡空港で相次ぐバードストライク 対策はある?

繁華街や人口密集地に近く、「日本で最も便利な空港」と言われる福岡空港。しかし、鳥が飛行機と衝突する「バードストライク」が相次ぎ、航空機の運行にも影響が発生しました。なぜ福岡空港でバードストライクが多いのでしょうか。◆バードストライク相次ぐ福岡空港鳥が飛行機と衝突する「バードストライク」。福岡空港で今週2回相次ぎました。ともに着陸前の機体に鳥が衝突したケースで、機体の点検や滑走路の清掃のため、空港は一時閉鎖されました。このため、長崎や熊本の空港に代替着陸せざるを得ない便も出て、大きな影響が出ました。(1)10月30日(月)午前11時10分ごろ発生。滑走路が約1時間閉鎖され、発着便に1時間以上の遅れが出た。(2)11月1日(水)午前11時50分ごろ発生。滑走路が約30分閉鎖され、発着便に最大27分の遅れが出た。◆空港は「鳥の保護区」のようなもの国土交通省によりますと、バードストライクは2021年に全国で1074件発生しています。羽田空港(95件)、那覇空港(59件)に次いで、福岡空港は52件で全国3位でした。バードストライクを調査分析してきた鳥類学者の樋口広芳東京大名誉教授は、国土交通省の「鳥衝突防止対策検討会」で委員長を務めて、対策を考えてきました。樋口広芳・東京大名誉教授「鳥の住処としては安全で食物豊富。保護区みたいなものなんです」敷地が広く、人の出入りも少ない空港は、鳥にとって絶好の住処なのだそうです。さらに、バードストライクを最も注意しなければならない季節が、秋です。福岡空港は“渡り鳥の通り道”になっていて、空港近くに住み着いている鳥と合わせ、秋は数が増えると言います。飛行機と鳥が衝突する「バードストライク」。2009年1月、アメリカ・ューヨークでは、バードストライクで離陸直後にジェットエンジンが停止、ハドソン川に不時着しました。福岡空港も、博多駅から地下鉄でわずか6分、最大の繁華街・天神からも12分で行ける、都心部ととても近い空港です。人口密集地での墜落事故は許されません。2日正午ごろの福岡空港の滑走路を映した映像には、カラスの姿が……。上空にも、複数の鳥が飛んでいました。どのような対策を取っているのでしょうか。◆抜本対策はなく地道な取り組み続ける現在行っているバードストライクの主な対策は、「鳥を滑走路から遠ざける」こと。敷地内をパトロールする黄色い車がいました。鳥の姿を見つけると、“打ち上げ花火”のようなものを地面にセット。すると大きな音と白煙が上がりました。空砲で驚かせ、滑走路から遠くに行くよう仕向けているのです。樋口広芳・東京大名誉教授によると、バードストライクは世界中の空港が頭を抱える問題で、近年増える傾向にあるそうです。機体やエンジンの大型化に伴い、鳥とぶつかりエンジンに吸い込む可能性が高くなっていること。エンジン音が小さくなったため、鳥が気づきにくくなっていることが理由です。全国の空港で取り組んでいるバードストライク対策には、以下のようなものがあります。・鳥が嫌がる“音”を出す・レーザー光線で驚かせる・巣を作らないよう、鳥がとまりやすい木を切る・エサとなる虫が集まらないよう、草を刈るさらに、水場ができない環境作りも重要です。しかし抜本的な対策はなく、現在の対策に手を抜かずに取り組むしかない状況が続いています。オリジナル記事を読む https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/815442

http://www.nicovideo.jp/watch/so42972008