本州と九州がつながった日 88歳女性が鮮明に記憶している「ボートから車になった」感動 関門海峡開通50年

本州と九州がつながった日 88歳女性が鮮明に記憶している「ボートから車になった」感動 関門海峡開通50年

九州と本州を結ぶ関門橋は14日、開通から50年を迎えました。かつてボートで本州に渡っていた女性は当時の感動をきのうのことのように振り返ります。今や物流の大動脈となった巨大な橋がもたらしたものとは。◆福岡と山口を長さ1068メートルで結ぶ福岡県北九州市と山口県下関市を結ぶ関門橋。長さ1068メートル、グリーングレーの配色のダイナミックな橋は、関門海峡の美しい景色とあいまって見る人を魅了します。関門橋は14日で開通から50年となりますが、建設当時は「東洋一」の長さを誇る橋でした。◆1968年建設開始「ビルをみているようだった」今から55年前の1968年、「東洋一」の橋の建設が始まりました。国内の最先端の技術を駆使した関門橋の工事は、何度もニュースとして取り上げられ、注目を集めました。北九州市門司区に住む川ノ上幸子さん、88歳。30代だった当時、海峡周辺に停泊する外国の船に小型船で乗り付け、免税品を販売する仕事をしていました。建設工事が進む関門橋の下を船で通っていたそうです。川ノ上幸子さん(88)「橋ができあがるまでは毎日とおっていました。『あーだいぶ建ったね』と。建設するビルを見るようなもんよ」◆完成した橋を歩行者に開放 歩いてみたら着工から5年がたった1973年、ついに関門橋が完成。開通5日前には特別に1日歩行者天国となり、待ちに待った市民たちが橋の上を歩きました。橋を歩いたおばあちゃんは、当時こう話していました。Qどうですか?歩いていみて「いいです。気持ちいいですな。どこまでいってもあんた、道路と同じですから」そして、当時の谷伍平北九州市長は。「上から見たら高いという感じは十分ありますよね。歩いてみると大きいという感じがね。高いだけじゃなくて非常に巨大な感じがしますね」◆ついに開通 「初めて車で行った日」鮮明に記憶そして1973年11月14日、開通式が盛大に行われ、関門橋の上を車両が走り出しました。川ノ上さんも当時の感動を鮮明に覚えています。川ノ上幸子さん(88)「できあがったときに私、下関に初めて車で行ったのはものすごく印象があります。それまでは下関に行くときはボートでいきよったんよね、だけど橋をとおって行けるようになったときは感動しました。それが橋の感動。」◆通行量3倍に 多大な経済効果をもたらした現在の関門橋完成当時の交通量は1日平均1万台程度でしたが、半世紀がたち1日平均3万台以上の車両が行き交うようになり、その経済効果は50年で5・6兆円に上っています。西日本高速道路北九州高速道路事務所 後藤昭彦副所長「雨や雪で通行止めになったりするんですがかなり物流への影響が大きいですね。なくてはならない存在だなと思います」◆100年めざし最新技術で劣化対策一方で、老朽化も避けては通れない問題です。経済界からは関門橋と関門トンネルの代替機能として北九州市と下関市を結ぶ「下関北九州道路」の建設を望む声も上がっています。しかし新たな道路ができるとしてもそれは先の話。NEXCO西日本は最新の技術を駆使して、関門橋の劣化を防ぐように努めています。西日本高速道路北九州高速道路事務所 後藤昭彦副所長「ケーブルがあるんですがそれが橋を支えているんですけれどそれの中に雨水とか自然の湿気が入ってしまう。放っておくといつか腐食が進行してしまうので予防保全的に乾燥した空気をところどころから注入しています」物流の大動脈として欠かせない関門橋は、開通100年を目指してきょうも本州と九州とを行き来する車やトラックを見守っています。オリジナル記事を読む https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/835449

http://www.nicovideo.jp/watch/so43022597