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珍しすぎる深海生物「カイロウドウケツモドキ」 漁師が25年ぶりに発見
今月10日、駿河湾で捕獲されました。いったいどんな生き物なんでしょうか。サンゴのようなスポンジのような・・・
網目状に空いた穴。その中にはエビの姿が。
このとても珍しい生き物は海綿動物の一種カイロウドウケツモドキです。
今月10日、焼津市の深海魚専門の漁師 長谷川一考さんが釣り上げました。
長兼丸 長谷川一孝さん「深海のはえ縄で、こういう仕掛けを使っているんですけど。その時にたまたまカイロウドウケツモドキの根っこが釣り針にひっかかって、きれいな状態であがってきた。もし途中にひっかかったら、ちぎれちゃって一部分しかかかってこなかったと思うんですけど。たまたま根っこにひっかかったのが、奇跡的な」
長谷川さんが完全な形のカイロウドウケツモドキを引き上げたのは、実に25年ぶり。
どうしようか迷った末、たくさんの人に見てもらおうと焼津市にある深層水ミュージアムに寄贈しました。
珍しい深海生物を見に、展示後来場者は普段の3倍に増えました。
来場者「(これ生きてるの?)生きてるんだよ。生きたまま捕まえたんだって」
来場者「思ったより綺麗網目がすごいきれい。すごい神秘的な形をしてるなと思いますけど、こういう生き物がいるんだと初めて知ったので、すごい勉強になりました」
ところで気になるのはその生態です。
長兼丸 長谷川一孝さん「周りの部分は、ちょっと堅めのスポンジ。強く押すと、くしゃっていっちゃうような」
内臓などの器官はなく、体の表面にある無数の穴から海水を取り込み、プランクトンなどを食べて生きています。
中には小さなエビが住みついていることが多いそうです。
長兼丸 長谷川一孝さん「このエビは小さい時にこの中に入って、自分が成長してしまって外に出なくなってしまう」
カイロウドウケツモドキの中に入ってくるプランクトンを食べて、一生を共にするエビ。
なんとも不思議な深海の生物でした。
残念ながらカイロウドウケツモドキ、21日死んでいるのがわかりました。
深海700メートルにいた個体は同じ環境での飼育は難しいとのことです。
カイロウドウケツとは、夫婦が仲睦まじく添い遂げる事を指す故事成語「偕老同穴」からきています。
中のエビがつがいでいることが多いためです。