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[いにしえの発動機たち] 1937年頃 トバタ陸用発動機 BL型 2.5馬力 その2
平ベルトでコーンシェラー(とうもろこしの脱粒機)を駆動しながら展示される、吸排気バルブを駆動するメカニカルなギミックが面白い、戦前の農業用石油発動機です。こうして農業用機械を駆動する事は発動機の代表的な使用例であり、かつてはハゼ掛けして天日干しした稲を、農家の庭先で発動機で脱穀機を駆動し脱穀していましたが、コンバインの普及によりそうした光景は殆ど見られなくなりました。
トバタ陸上発動機 BL型
出力 : 2.5馬力/650rpm
製造年代 : 1937年頃(昭和12年頃)
製造会社 : 久保田鉄工所
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2016年八ヶ岳まるごと収穫祭で見学させていただきました。
mylist/39931443 mylist/57602834
・スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1935年頃 トバタ陸用発動機 SL型 1.5馬力
日本製の農業用石油発動機の中では異端の存在とも言える、トバタ陸用発動機SL型です。エンジンで熱的に一番厳しい箇所はシリンダーヘッドとされ、その上に冷却水を配置したレイアウトはアメリカ製の発動機「NOVO」sm27551974に倣ったと思われますが、高重心故の不安定さが影響したのか日本国内においては稀な事例となり、こうして実働機として残されている事に敬意を感じた発動機でした。
トバタ陸上発動機 SL型
出力 : 1.5馬力/1,000rpm
ボア&ストローク : 69.5mmx80mm 約303cc
製造年代 : 1935年頃(昭和10年頃)
製造会社 : 久保田鉄工所
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2016年鈴鹿みどりのだいち発動機運転会で見学させていただきました。
mylist/39931443 mylist/57602834
・スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1937年頃 トバタ陸用発動機 BL型 2.5馬力 その1
一本のロッカーアームで吸・排気量両方のロッカーアームとバルブを駆動する、トバタ陸用発動機よりBN型です。忙しくロッカーアームが前後してバルブを押す様は、ドラマーがドラムセットを演奏しているようにも感じられます。朱が差されたロッカーアームは、バルブタイミング可変機構内蔵…という訳ではありませんが、見慣れないギミックがよく理解できる展示の発動機でした。
トバタ陸上発動機 BL型
出力 : 2.5馬力/650rpm
製造年代 : 1937年頃(昭和12年頃)
製造会社 : 久保田鉄工所
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2016年鴨方発動機運転会で見学させていただきました。
mylist/39931443 mylist/57602834
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1925年頃? トバタ石油発動機 D型 3馬力
シリンダーヘッド横にマウントされた点火装置一式が物々しい、現存している国産農業用石油発動機の中でも最古クラス群に属すると言える中の一台です。sm27180171と同型ですが、こちらの方が幾分後の製造のように見受けられ、各部にも差異があります。爪がマグネトーを引っ掻く度に、シリンダーヘッド側面から挿入された点火栓へ電流が送られ、混合気に点火しています。
トバタ石油発動機 D型
出力 : 3馬力/620rpm
ボア&ストローク : 100mm x 140mm 1,099cc
製造年代 : 1925年頃?(大正14年頃?)
製造会社 : 戸畑鋳物 (現:日立金属)
所在地 : 福岡県北九州市戸畑区汐井町
2015年水晶の湯発動機運転会で見学させていただきました。
mylist/39931443 mylist/57602834
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1930年頃? トバタ陸用発動機 SL型 1.5馬力
シリンダーヘッドの真上に冷却水ホッパが載ったレイアウトが珍しい、縦型水冷単気筒サイドバルブの農業用石油発動機です。大正~昭和初期におけるこのような形状の農業用石油発動機には、他の例としてアメリカから輸入された「NOVO」がありましたが、高重心故の安定性に欠けたのか、日本においては実際に製造された機種の少ないレアな形態となりました。
トバタ陸上発動機 SL型
出力 : 1.5馬力/1,000rpm
ボア&ストローク : 69.5mmx80mm 約303cc
製造年代 : 1930年頃?(昭和5年頃?)
製造会社 : 戸畑鋳物
所在地 : 福岡県北九州市戸畑区汐井町
2015年水晶の湯発動機運転会で見学させていただきました。
mylist/39931443 mylist/57602834
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1940年頃? トバタ発動機 4OL型 4馬力 その2
木栓が打込まれた冷却水ドレン、バルブスプリングシートを押すロッカーアームなど、長年の使用感に溢れながらも生き生きと回るトバタ発動機です。何十年と農家で働き続ければ、こういった状態で使われていた筐体も多かった事でしょう。どんな状態の発動機を尊ぶかは人それぞれですが、彼らの逞しさを改めて実感させられた発動機でした。
トバタ陸用発動機 4OL型
出力 : 4馬力/600rpm
ボア&ストローク : 115mm x 140mm 約1453cc
製造年代 : 1940年頃?(昭和15年頃?)
製造会社 : 久保田鉄工所 (現:クボタ)
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2014年常総ふるさとまつり発動機運転会で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1925年頃 トバタ発動機 D型 3馬力
トバタ発動機の中でも、かなり初期の頃の製品と思われる発動機です。古典的な点火プラグ(点火栓)に給電するマグネトーは、カマキリのようなアームで引っ掻くタイプの珍しい物です。マグネトーの台座は欠品だった為、新規に鋳造されたとオーナーさんは仰っていました。有機的な魅力にあふれた発動機でした。
トバタ発動機 D型
出力 : 3馬力/600rpm
ボア&ストローク : 100mm x 140mm 1,099cc
製造年代 : 1925年頃(大正14年頃)
製造会社 : 戸畑鋳物 (現:日立金属)
所在地 : 福岡県北九州市戸畑区汐井町
2014年中日本自動車短期大学自短祭で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1935年頃? トバタ陸用発動機 FL型 1.5馬力
一本のロッカーアームで吸気・排気の両バルブを駆動する、エキセントリックなメカニズムでおなじみのトバタ発動機ですが、この1.5馬力FL型ではエントリーモデルに相当する為でしょうか、吸気バルブがシリンダー内のピストンによる吸入負圧により開閉されています。とは言え、元気よく表情豊かに回る様は、上級機に負けない魅力的な発動機でした。
トバタ陸上発動機 FL型
出力 : 1.5馬力/700rpm
製造年代 : 1935年頃?(昭和10年頃?)
製造会社 : 久保田鉄工所 (現:クボタ)
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2014年高知宮の前発動機運転会で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1935年頃? トバタ陸用発動機 ALS型 5馬力
平ベルトで小型の発電機を駆動しながら生き生きと回る、トバタ陸用発動機のALS型です。一本のロッカーアームで排気・吸気バルブの両方を駆動するのがトバタの特徴ですが、この発動機の場合上側が排気バルブ、下側が吸気バルブになっています。排気マニホールドとキャブレターは、一体となった鋳物のASSYでしょうか。戸畑鋳物の流れを汲む、熟練技の一端を垣間見た発動機でした。
トバタ陸上発動機 ALS型
出力 : 5馬力/600rpm
製造年代 : 1935年頃?(昭和10年頃?)
製造会社 : 久保田鉄工所 (現:クボタ)
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2014年高知宮の前発動機運転会で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1940年頃? トバタ発動機4OL型 4馬力
そのロッカーアームは吸気バルブを押せているのか?観察していて微笑ましいトバタ発動機です。常用回転数が低い低速型発動機では、吸気バルブをピストンにより生じる負圧で駆動する方式が主流であり、戦前において吸排気2組の動弁機構を備えるのは、大量に吸気させたい大排気量機、又は高級機の証としての傾向があったようです。
トバタ陸上発動機 4OL型
出力 : 4馬力/600rpm
ボア&ストローク : 115mm x 140mm 約1453cc
製造年代 : 1940年頃?(昭和15年頃?)
製造会社 : 久保田鉄工所 (現:クボタ)
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2014年高知宮の前発動機運転会で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1937年頃 トバタ陸用発動機 OL型 2.5馬力
1本のプッシュロッドで吸排気バルブを駆動する、発動機運転会でもとりわけ目を引くのがトバタ発動機です。プッシュロッドから分岐するロッカーアームの取付け方に、機種ごとに違いがあるのも興味深く、発動機運転会で違う筐体に出会うたびに見入ってしまいます。
トバタ陸上発動機 OL型
出力 : 2.5馬力/650rpm
製造年代 : 1937年頃(昭和12年頃)
製造会社 : 久保田鉄工所 (現:クボタ)
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2014年高知宮の前発動機運転会で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1925年頃? トバタ発動機 B型 2馬力
特異な形状のシリンダーヘッドに突き刺さる点火プラグが印象的な、八幡製鉄所の御膝元、戸畑鋳物株式会社製造の発動機です。まだ点火プラグがネジ山によるネジ込み式になる以前、フランジ状の固定具を用いてシリンダーヘッドにボルト留めしていた頃の面影を大変良く残しています。日本の発動機創成期における発動機たちの中の一台です。
トバタ発動機 B型
出力 : 2馬力/650rpm
ボア&ストローク : 90mmX115mm 約731cc
製造年代 : 1925年頃?(大正14年頃?)
製造会社 : 戸畑鋳物 (現:クボタ)
所在地 : 福岡県北九州市戸畑区汐井町
2014年高知宮の前発動機運転会で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
・スペック・製造年代には推定を含みます。
[いにしえの発動機たち] 1933年頃 トバタ陸用発動機 IL型 10馬力 その2
迫力のある大型のトバタ発動機です。1本のプッシュロッドで吸気・排気用ロッカーアーム両方を押し引きして駆動する様は、トバタならではの機構であり、その美しく規則的な動きは見ていて飽きる事がありません。sm22830232と同一機です。
トバタ陸用発動機 IL型
出力 : 10馬力/500rpm
製造年代 : 1933年頃(昭和8年頃)
製造会社 : 久保田鉄工所機械部 (現:クボタ)
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2014年朝霞発動機運転会で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
・スペック・製造年代には推定を含みます。
・タイトル画像はhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2f/Japanese_soldiers_just_going_to_attack_in_Kiangwan_front.jpegより引用させていただきました。
[いにしえの発動機たち] 1930年頃? トバタ陸用発動機 BN型 2.5馬力
西日本屈指の重工業地帯であり、八幡製鉄所も近くにあった戸畑に位置する戸畑鋳物の発動です。一本のプッシュロッドで吸・排気バルブ両方を駆動するのが特徴ですが、このくらいの勢いでガシガシと回して展示されているのが、個人的には好みです。
トバタ陸上発動機 BN型
出力 : 2.5馬力/650rpm
製造年代 : 1930年頃?(昭和5年頃?)
製造会社 : 戸畑鋳物 (現:日立金属)
所在地 : 福岡県北九州市戸畑区汐井町
2013年サンサンファーム発動機運転会で見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
スペック・製造年代には推定を含みます。
タイトル画像はhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3c/JGR-D50SteamLocomotive.jpgより引用させていただきました。
[いにしえの発動機たち] 1933年頃 トバタ陸用発動機 IL型 10馬力 その1
一本のプッシュロッドで吸・排気バルブを駆動するトバタ発動機は、日産自動車の源流となった戸畑鋳物が製造していましたが、久保田鉄工所系列の会社より小型自動車の製造権を譲渡した際、久保田鉄工所のブランドとなりました。sm24739013と同一機です。
トバタ陸用発動機 IL型
出力 : 10馬力/500rpm
製造年代 : 1933年頃(昭和8年頃)
製造会社 : 久保田鉄工所機械部 (現:クボタ)
所在地 : 大阪府大阪市浪速区
2012年筑西市小栗判官まつりで見学させていただきました。
動画で辿る石油発動機の歴史 mylist/39931443
スペック・製造年代には推定を含みます。
タイトル画像はhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/18/1933_Sanriku_Earthquake_damage_at_Kamaishi_01.jpgより引用させていただきました。