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リスト:交響詩「フン族の戦い」S.105
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=8pALm8alj9w)。
西暦451年、ガリアに侵攻したアッティラ率いるフン族軍と西ローマ帝国・西ゴート族等の反フン族連合軍
はフランス北東部のカタラウヌム平原にて大規模な戦闘を行いました。これは後に「カタラウヌムの戦い」
と呼ばれ、世界史上の東西両民族の大衝突の1つであること、そして両軍が大損害を被ったことで名高い戦
いとされています。1850年頃、ドイツの画家ヴィルヘルム・フォン・カウルバッハはこの戦いを題材とし
た絵画「フン族の戦い」を描きます(この動画の絵)。この絵ではフン族を異教徒、反フン族連合軍をキリ
スト教徒として描いています。また、カタラウヌムの戦いの熾烈さを強調しており、戦死して天に上った両
軍の戦士たちの魂が天上においても戦いを繰り広げています。
1855年の夏(1856年とも)、フランツ・リストはヴィトゲンシュタイン伯爵夫人から「フン族の戦い」の
複製画を寄贈されました。リストはこの複製画を見て感銘を受け、これを交響詩として表現しようと思い立
ちます。彼は1857年に作曲に着手し、2月10日に作品を完成させて、12月29日に自らの指揮で初演しまし
た。これが交響詩「フン族の戦い」S.105です。
リストの作品はカウルバッハの絵画に倣った構成になっており、前半は異教徒が猛威をふるうものの、次第
にキリスト教の象徴であるコラールの旋律が強まっていき、コーダではコラールの旋律が高らかに歌われ
て、キリスト教徒が勝利したことを表しています。
トーマス・アデス指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
【全部ミク】ラ・カンパネラ
18本目です
ミクの声でリストの「ラ・カンパネラ」を再現しました
原曲:Grandes Etudes de Paganini, S. 141 (La Campanella)
超絶技巧練習曲第四番「マゼッパ」とその元曲比較動画
この動画は、超絶技巧練習曲が、元となった12の練習曲から2回の改訂を受け、現在の形になったことを知っている人向けの動画です。かなりいい加減なマゼッパ解説があったので、怒りの投稿
この「マゼッパ」というテーマは、作曲家リストの中で魅力的なものだったらしく、幾度も取り上げています。
リストが最初に「マゼッパ」に触れたのは、ヴィクトル・ユーゴーの東方詩集(1829年)の中の一篇の詩からでした。その叙事詩に感銘を受けたリストは、そのテーマを交響詩にまで発展させました。
「マゼッパ」の作曲過程は以下の通りです。
まず、「マゼッパ」の大元となった12の練習曲第4番S.136-4が1826年に作曲されます。この時は、まだリストはマゼッパのことを知らなかったはずです。
その後、12の練習曲を改訂した24の大練習曲S.137が1837年に作曲されます。この時、12の練習曲の4番に有名な「マゼッパの主題」が追加され、現在の形に近づきます。
ただし、リストがこの時点で、どの程度「マゼッパ」のテーマを意識していたかは不明ですが、この後に、24の大練習曲第4番を独立させ、「マゼッパ」の表題を付けられ、1840年に「マゼッパ S.138」として再改訂されます。
長い期間が空いたあと、1851年にふたたび24の大練習曲が改訂され、超絶技巧練習曲S.139が作曲されます。この第4番が、現在よく知られる「マゼッパ」となります。
また、同時期には交響詩「マゼッパ」S.100も作曲されており、超絶技巧練習曲第4番「マゼッパ」と共通のモチーフを多くに含むかたちとなりました。
さて、12の練習曲第4番から始まり、超絶技巧練習曲第4番に至るまでの改訂で、リストはどの様な意図をこれらの曲に含めたのでしょう。
本動画では、24の大練習曲第4番S.137-4、マゼッパS.138、超絶技巧練習曲第4番「マゼッパ」S.139-4の比較を行い、細部がどの様に変化していったかを見ていきます。
リストが、改訂過程でどのような意図を持っていたのか考察する一助になればなと思います。