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バッハ:カンタータ第186番「魂よ、躓づくなかれ」BWV186
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=HFty736iJUk)。
バッハのカンタータ「魂よ、躓づくなかれ」BWV186は1723年に作曲され、この年の三位一体主日後第7主
日である7月11日に初演されました。といっても、
この作品は完全な新作というわけではなく、ヴァイマル時代の作品で、1716年の待降節第3日曜日のために
作曲された同名のカンタータBWV186aを改作したものです。BWV186aは冒頭合唱に続いて4曲のアリアと
コラールが続く全5曲構成でしたが、バッハはこの5曲を歌詞を取り換えただけでそのまま流用し、新たにア
リアとレシタティーヴォを作曲し、2部構成に変更して新しいコラールをそれぞれの最後に配して、全11曲
の作品としました。
この日の福音書章句はマルコによる福音書から、イエスが奇蹟を起こして四千人に食べ物を与えるという話
であり、歌詞もこの章句の内容に沿ったものに替えられています。このカンタータは説教前に第1部が演奏
されて、男声によって自らの弱さと救い主の強さを歌い、説教の後に第2部が演奏されて、女声によってキ
リスト者の進むべき道が歌われます。
なお、本作の9日前に初演されたBWV147も改作された作品で、過去の作品から改作されたカンタータが2作
続けて初演されています。
キャサリン・フーグ(ソプラノ)
リチャード・ウィン・ロバーツ(アルト)
コビー・ヴァン・レンスバーグ(テノール)
シュテファン・ローゲス(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ:カンタータ第184番「待ちこがれし喜びの光」BWV184
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=soLoeSk5G84)。
バッハのカンタータ「待ちこがれし喜びの光」BWV184は1724年に作曲され、同年の聖霊降臨祭3日目にあ
たる5月30日に初演されました。しかし、このカンタータはこの日のための完全な新作ではなく、以前に作
曲した別の世俗カンタータを改作したものです。当時バッハが赴任していたライプツィヒでは降誕祭・復活
祭・聖霊降臨祭は3日連続で礼拝が行われており、それぞれの日に別のカンタータが必要となるため、バッ
ハは作曲に使う労力を節約するために既存の作品を改作する方法を採ったと思われます。元となった世俗カ
ンタータには「BWV184a」の作品番号が便宜的に付されているものの、楽譜の大半が喪失しており、題名
も不明です。おそらく、バッハが本作で新たに作曲したのは全6曲のうちコラールの第5曲のみで、あとは第
6曲を原曲より拡大した他は曲にそれほど手を加えず、歌詞を教会での演奏にふさわしいものに変更する、
いわゆる「パロディ」を行ったと思われます。
聖霊降臨祭3日目の礼拝で行われた説教は、ヨハネ福音書の「わたしは羊の門である」の逸話に基づいて、
救いを求める人々を羊に喩え、イエスを羊を導く門や羊飼にたとえたものでした。本作の歌詞もそれにちな
み、迷える羊の群れを導くイエスを「喜びの光」とたたえ、イエスによって人々の幸いと祝福が成就すると
歌われます。
なお、バッハが世俗カンタータを教会カンタータに改作した「パロディ・カンタータ」は本作以外にもいく
つかある他、ミサ曲においてもパロディの手法は使用されており、バッハ最後の完成作品であるミサ曲ロ短
調においても、パロディにより他の作品から転用した曲が含まれています。
リサ・ラーション(ソプラノ)
ナタリー・シュトゥッツマン(アルト)
クリストフ・ゲンツ(テノール)
シュテファン・ローゲス(バス)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団
バッハ作曲、昇天祭オラトリオ 「御国にまします神を讃えよ」 BWV 11から
バッハ作曲、昇天祭オラトリオ 「御国にまします神を讃えよ」
カンタータ11番 「神をそのもろもろの国にて頌めよ」
歌:モンテヴェルディ合唱団