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ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125(1923年 世界初全曲録音)
Youtubeからの転載です(https://www.youtube.com/watch?v=nZV2EuA9fwM)。
ベートーヴェンの交響曲第9番は正規の演奏で1時間を超える大曲であり、その全曲録音は、録音技術が開発
されてからもしばらくの間実現しませんでした。世界で初めて全曲録音を成し遂げたのは、ドイツの指揮者
にしてドイツ・ポリドール社の録音部長であったブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラー(1880 - 1960)で、
彼の指揮と新交響楽団(Neues Symphonie-Orchester:実態はベルリン国立歌劇場管弦楽団の団員を中心に
組織された臨時の演奏団体)によって、1923年に録音されました。
当時は電気録音法が実用化される前で、生音をそのままラッパで集音するというアコースティック録音でし
た。そのような技術上の制約がありながらも、ザイドラー=ヴィンクラーは集音用のラッパを複数束ねて音
質を向上させるという工夫を施して、アルトゥル・ニキシュ指揮ベルリンフィルの演奏によるベートーヴェ
ンの第5交響曲の世界初録音を成し遂げていました。第9の録音は、そんな彼が成し遂げたアコースティック
録音の最高の到達点の1つといえます。
この録音では第2楽章の一部がカットされ、録音上の制約からシンバルが省かれていますが、集音ラッパを5
本使ったことでオーケストラの各パートがバランスよく記録されており、発売当時は優秀な録音として好評
を博したと伝えられています。
エーテル・ハンザ(ソプラノ)
エレアノア・シュロスハウザー(アルト)
オイゲン・トランスキー(テノール)
アルベルト・フィッシャー(バス)
ブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラー指揮
新交響楽団
ベルリン国立歌劇場合唱団