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宮城県で思想広める県民運動 “優生手術”の徹底も
障害者らに強制的な不妊手術が行われていた旧優生保護法の問題です。全国で2番目に多い1400人に手術が実施された宮城県で当時、この思想を広める県民運動が大規模に展開されていたことが分かりました。
宮城県では1957年に「宮城県精神薄弱児福祉協会」という団体が発足し、障害者施設を造るため、一口100円の入会金を県民から集める「愛の十万人県民運動」を展開していました。当時の資料によりますと、発足から5年間で約770万円を集めました。単純計算すれば8万人近くが参加したことになります。この運動では優生保護の思想を広め、優生手術を徹底することも目的の一つでした。また、協会の会長や顧問には地元の有力企業の社長や県知事らが就任していて、官民を挙げて手術を推し進めようとしていたことがうかがえます。
旧優生保護法に詳しい市野川容孝東京大学大学院教授:「経済成長を支えるために人づくりが必要で、その時に優生政策『不良の子孫の出生を防止する』、そういうことが必要だと」
5月17日に宮城、北海道、東京で合わせて男女3人が国に対して謝罪と賠償を求めて提訴する予定です。
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「人生返して」都内男性、強制不妊手術を中学生のころ説明もなく
全国で障害者らに強制的に不妊手術が行われていた旧優生保護法の問題で、手術を受けた人たちが声を上げ始めています。5月17日に北海道、宮城、東京の男女3人が国に謝罪と賠償を求めて一斉に裁判を起こしました。
都内に住む男性(75)は児童施設に入所していた14歳のころ、何の説明もないまま強制的に不妊手術を受けさせられたということです。国に3000万円の損害賠償を求めて、東京地裁に訴えを起こしました。
提訴した男性:「国に対して真実を述べてほしい。できるなら私の人生を返して下さい」
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中絶と同時に不妊手術「簡単にできる」と医師が勧め
障害者らに強制的な不妊手術が行われていた旧優生保護法の問題では手術記録が残っていないことから、提訴に踏み切ることが難しいと考える人もいます。熊本市内に住む71歳の女性は40年以上前に胎児に障害があると分かり、中絶手術を受けました。その際に医師から勧められ、さらに不妊手術を受けたということです。
20代のころに不妊手術を受けた女性:「『すぐできるから』『簡単だから』という(医師の)言葉にだまされたのかね。その時は先生を信じてそうした」
熊本市内に住む71歳の女性は本人に障害はありません。20代の時に結婚、妊娠してその後、胎児に障害があると医師に告げられて中絶手術を受けました。その際に医師から「すぐにできるから」「簡単だから」と不妊手術を勧められて受け入れたということです。
20代のころに不妊手術を受けた女性:「障害者の子どもが生まれるから次もね、その可能性があるという意味だろうなと」
専門家は、この女性は旧優生保護法で明確な規定がないまま胎児の障害を理由に中絶・不妊手術を受けた可能性が高いとしています。手術に関する記録は残っておらず、証明できるのは傷痕だけだということです。
東京大学大学院・市野川容孝教授:「同意に基づいて行われた不妊手術も実態を解明して、圧力のもとで手術を受けた可能性があるならそれも補償の対象にするべき」
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強制不妊 新たに10人の手術記録 茨城の施設で
茨城県によりますと、水戸市の障害者支援施設「県立あすなろの郷」で、旧優生保護法に基づいて不妊手術を受けた可能性がある女性10人分の資料が新たに見つかりました。この資料は「入所者指導台帳」と呼ばれ、障害者が入所する際に本人や親に家族関係やこれまでの生活などを聞き取った資料で、このなかに不妊手術を受けたことを示す記述があったということです。手術を受けた人のなかには現在の入所者も含まれていて、県は今後、聞き取り調査などを検討するとしています。
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旧厚生省の“障害児施設運営マニュアル”に「知的障害の中には色情を早く発し・・・」
障害者らに強制的な不妊手術が行われていた旧優生保護法の問題です。当時、国が「知的障害の子どもには不妊手術が望まれる」と記した運営マニュアルを障害児施設に配っていたことが分かりました。
1954年に作られ、旧厚生省が全国の知的障害児の施設に配ったこの冊子は施設の運営者が参考にするマニュアルです。強制的な不妊手術について触れていて、「知的障害を持つ子どもの大部分は子女を養育する能力がないので、手術が望まれる」と書かれています。また、「知的障害のなかには色情を早く発し、困ることもあるので、年齢に構わず手術するのもやむを得ない」という記述もあります。障害者施設の側からも積極的に不妊手術を推し進めるよう国が誘導していたことになります。
障害者問題に詳しい佐々木信夫弁護士:「あまり科学的な根拠もないところで、否定的な価値判断をあらかじめしている。この人たちは存在するべきではないと国家が言うわけですから、厚生省がこれを配布することはこの通りやりなさいという国家意思の表れ」
山形県立の障害児施設では50年ほど前に集団で不妊手術が行われたという証言もあり、県が調査を進めています。
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旧優生保護法 強制手術巡り記録に「違法」の指摘
全国の障害者らに強制的に不妊手術が行われていた旧優生保護法の問題です。群馬県で法律で定められた医師とは別の医師が手術をし、旧厚生省が「法律違反」であると指摘していたことが分かりました。
旧優生保護法では、不妊手術は手術ごとに指定された医師によって行わなければならないと定められていました。しかし、群馬県に残されていた記録には、不妊手術を受ける人が急に病気にかかり、この病気の治療を担当した別の病院の医師が代わりに不妊手術をしたと記されています。法律では、こうした場合、医師を変更する手続きが必要でした。この記録は県から旧厚生省に宛てた報告書で、不妊手術を実施する際に「事件が発生した」としています。これについて、旧厚生省は「法律に違反する行為と認められる」としたうえで、「この医師に対して十分注意を喚起されたい」と指摘していました。
日本学術振興会特別研究員PD・横山尊氏:「担当者以外の人が手術したという意味での違法なんだろうと思います。県・現場レベルで(法の)運用が必ずしもスムーズにいっていないことを示す事例」
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強制不妊 全国弁護団結成へ 東京などで一斉提訴へ
旧優生保護法(1948~96年)のもとで障害者らに不妊手術が強制された問題で、全国の弁護士が5月27日に「全国優生保護被害弁護団」(仮称)を結成する。4月28日、仙台市内で開かれた準備会合で決まった。国に謝罪と補償を求める訴訟を全国に広げる。
会合には、宮城のほか東京、北海道、秋田、神奈川の弁護士約20人が参加。会場をインターネットで岐阜や京都、福岡など全国10カ所と結んで話し合った。2018年1月、宮城県内の60代女性が全国で初めて国を提訴している。
会合では、5月17日に宮城と東京、北海道のいずれも70代の男女4人が一斉提訴することも報告された。
https://www.asahi.com/articles/ASL4X5TSXL4XUNHB00D.html
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検定教科書に強制不妊手術「明るい社会のため大切 」
障害者らに強制的に不妊手術が行われた問題で、当時、高校の教科書に「明るい社会を作るために大切なもの」などと書かれていたことが分かりました。学校でも強制的な手術を望ましいものとして教えていた実態が浮き彫りになりました。
1950年4月の時点で国の検定に唯一、合格した高校の保健の教科書では、障害者らへの強制的な不妊手術について「社会から悪い遺伝性の病気を持った人を除き、明るい社会を作るために大切なものである」と書かれています。当時、旧優生保護法が施行されたばかりでした。さらに、教科書では「浮浪者や凶悪犯罪者に精神疾患や知的障害者が少なくないことを考える時、この法律が大切なことが分かる」などと指摘しています。また、文部省が教師に向けて作成した1972年度の学習指導要領の解説でも「我が国の精神障害の現状を理解させ、予防や取り扱いに関連して優生保護法に触れる」と書かれていたことも分かりました。
立命館大学・松原洋子教授:「優生政策の重要な柱の一つに国民の啓蒙(けいもう)と啓発があった。(その一環として)文部省が保健体育の教科書に取り入れた」
保健体育はすべての生徒に履修が義務付けられていて、優生保護法に関する記述は1960年代から1970年代の複数の教科書に見られます。
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新たに700件の個人記録 強制的不妊手術でANN調査
障害者らに強制的に不妊手術が行われた旧優生保護法に関するANNの調査で、残っていないとされていた個人の手術記録などが、全国で新たに約700件確認されたことが分かりました。
ANNの調査は先月に続き、各都道府県への聞き取りの方法で実施しました。その結果、この1カ月で茨城・三重・和歌山などで独自の調査が進み、医療機関に不妊手術のカルテが残されていたり、障害者団体の指摘を受けた公文書館の再調査で手術記録が見つかったりするなど、新たに689人分の資料が確認されました。手術を受けた個人の特定につながる資料はこれまでと合わせて4091件に上ります。厚労省のまとめでは、強制不妊手術を受けた人は1万6475人とされていますが、静岡県では厚労省の統計530件に比べ、県が把握する数が746件と200件以上の開きがあります。厚労省は、早ければ25日午後にも各都道府県に全国調査を要請する見通しで、こうした統計をどう検証して実態の把握につなげるかが課題となります。
予算未達で国が積極的に推進か “強制不妊手術”
旧優生保護法で障害者などに強制的に不妊手術が行われていた問題で、国が都道府県に対して積極的に手術をするよう通知していたことが分かりました。
旧優生保護法のもとでは、少なくとも1万6000人以上の障害者などに強制的に不妊手術が行われていました。国の資料によりますと、不妊手術は1955年の1362件が最も多くなっていますが、その2年後、旧厚生省の精神衛生課長が都道府県に対し、不妊手術の件数が予算上の目標を下回っているとして積極的に手術を要請する通知を出していました。京都府の資料館に当時の文書が残されていました。この通知文書では、不妊手術の数について「啓蒙(けいもう)活動と努力によって相当程度、成績を向上させられる」と指摘しています。国が積極的に手術を推し進めていたことが浮き彫りになりました。
東京大学大学院・市野川容孝教授:「(憲法にある)公共の福祉という言葉を動員しながら、(手術を)強制していいと指導してきた責任は厚生省にあったことも事実」
【オジキ】あさラジ! 2017.05.01 <北朝鮮情勢 他>
少子化対策(堕胎)
都議会選調査
北朝鮮情勢
籠池問題
ラジオ 須田慎一郎 あさラジ! 政治
<ニュース・コメンタリー>相模原障害者殺傷事件 日本社会の中に潜む事件の遠因を考える
相模原市の障害者施設で19人が殺害された事件の容疑者が、「障害者は安楽死させるべきと考えて殺した」などと話していることが明らかになり、社会に衝撃が走っている。中でも最も大きな衝撃を受けたのは、障害者自身だった。
障害者の多くが、生産活動における効率や生産性が絶対視される風潮の中で、必ずしも効率よく仕事ができない自分たちが社会から取り残されたり、そんな自分たちに対して批判的な眼差しが向けられていることを感じていたと、日本障害者協議会の藤井克徳代表は語る。そうした中で今回の事件は起きた。
「社会的に生産性が乏しいと、価値がない人間と断定されてしまう。今の社会にもそんな風潮があるように思います」と自身が全盲の藤井氏は語る。「今回のような犯罪に対して、社会の中に共感を覚えたり同調する人が出ることを恐れています。」
藤井氏はナチスドイツが「T4作戦」で障害者の大量虐殺を図ったことに触れ、今回の事件の容疑者の考え方の根底には、ナチスの優生思想があることは明らかだという。T4も最初は障害者から始まり、その対象が病人や同性愛者などに拡大されていった。そして、最後はユダヤ人600万人の大虐殺にまで行きつくことになる。
社会が不安定になればなるほど、人々は不満のはけ口を探し始める。典型的な社会的な弱者の障害者は恰好の標的となる。
「もし障害者が居なくなれば、社会は次の厄介者を探し出す。それは高齢者かもしれないし、病気の女性や子供かもしれない。」そのような弱者探しの連鎖を続けて何になるのかと藤井氏は問う。
今週のNコメはジャーナリストの神保哲生が藤井氏のインタビューをもとに、相模原事件が社会に投げかけた大きな課題の正体を考えた。
(本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。)
【実況】絶体絶命にも程がある都市 part31
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