ライシガー:フルート協奏曲 ニ長調 Op.60

ライシガー:フルート協奏曲 ニ長調 Op.60

ロマン派はフルートにとって不遇な時代でした。バロック・古典派時代に比べ、所謂メジャーな作曲家は誰もフルート曲を書かず、Fl用協奏曲を作曲した中で一般的に知られた作曲家といえばライネッケやメルカダンテぐらいです(演奏者の作った協奏曲は何曲もありますが……、後は近代まで待たなくてはなりません)。さて、カール・ゴットリープ・ライシガーは1798年生まれのドイツの作曲家・指揮者です。ウェーバーの後任としてドレスデン歌劇場管弦楽団の指揮者に就任し、終生この地位にありました。この作品はウェーバーに繋がるような見事なロマン派の曲で、なかなかに素敵な曲だと思います。演奏するグラーフは、知的なアプローチで曲に迫り、フレージングと音の抜き方、特にピアニッシモの表現力は見事だと思います。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm24328202