その頃いろいろなことがあって、生まれ育ったその街を離れることを決めた。幼い頃から毎日のように通った踏切から、見上げた西の空に黄昏が始まっていた。僕はそこで一度立ち止まって、夕焼けを見上げて、やがて線路沿いの道を駅に向かって歩きだした時、その人が偶然そこに立っていた。二人が別れてしまった理由がその頃は理解できずに、今更どうすることもできないと知っていたから、二言三言言葉を交わして、「じゃあ」って言って別れた。ギターを抱えて歩き始めたら、「たぶんこの先、もう一生会うことがないんだろう」そんなことが突然頭をかすめて思わず振り返るとその人も振り返ってこっちを見ていた。