「結婚することになったの」3年間片思いしていた彼女から久しぶりに食事に誘われ、突然そう告げられた。一瞬動揺した。目の前が真っ暗になった。でもそれを彼女に悟られてはいけない。「おめでとう」そういって、結婚の経緯を聞いた。彼のことをはにかみながら話す彼女は、今までに僕が見たことのない顔だった。こんな表情をするんだ・・・「彼」に嫉妬した。彼女の帰りを見送ったあと、一人車に乗った。僕は、二度と戻ることの出来ない領域に来てしまったことを実感した。もう悩んでも、後悔しても、取り返しがつかない。 時の流れは残酷だ。しかしその残酷な時の流れの中で、僕達はもがいて、あがいて泳いでいる。時計を見た。23時18分。僕はこの時刻を永遠に忘れない、と思った。