宇部興産が謝罪 ポリエチレン品質検査が未実施

宇部興産が謝罪 ポリエチレン品質検査が未実施

大手化学メーカーの宇部興産は2月23日、電線や通信ケーブルを覆うポリエチレン(合成樹脂)製品の一部で、顧客が求めた品質検査を実施していなかったと発表した。不正は1990年代から続いており、出荷先は50社に上る。国内の素材メーカーで相次ぐ品質不正が更に広がった形だ。  山本謙社長は同日、記者会見を開き、「関係者に多大な迷惑と心配をかけ、深くおわびする」と陳謝した。  問題のポリエチレン製品は、宇部興産と丸善石油化学が50%ずつ出資する合弁会社が販売し、宇部興産の千葉石油化学工場(千葉県市原市)が生産を請け負っていた。2017年秋に神戸製鋼所などで品質不正が発覚したのを受けて、宇部興産はグループ会社の全製品の品質調査を実施したところ、2017年12月11日に不正が発覚。顧客への説明を優先したため、発覚から2カ月以上公表しなかったという。  製品の強度や電気の通しにくさなどを調べる75の検査項目のうち、16項目で試験や分析をしていなかった。出荷する際には、過去の計測値を基にしたデータを使い回し、検査したように装っていた。  同工場で生産するポリエチレン製品のうち、不正があったのは出荷量の7%程度を占める。同社は「製品の品質には問題はないものと考えている」としている。  山本社長は会見で「また起こらないようにするのが私の責務だ」と述べ、引責辞任は否定した。同社は外部の弁護士らを交えた調査委員会をすでに設置しており、3月末をめどに不正の検証結果を公表する。 https://mainichi.jp/articles/20180224/k00/00m/020/096000c

http://www.nicovideo.jp/watch/sm32787500