「第5次エネルギー基本計画」の素案が5月16日、経済産業省の審議会に示され、了承された。素案では、世界的に導入が増え、コストが下がった再生エネの「主力電源化」を目指すと初めて明記。一方で、経産省が2015年の「長期エネルギー需給見通し」で決めた30年の電源構成(原発20~22%、再生エネ22~24%など)は見直さなかった。審議会では素案について一部委員から反対意見が出たものの、大筋了承された。原発事故後、再生エネの買い取りを大手電力に義務づける固定価格買い取り制度が始まり、再生エネ比率はすでに15%程度。12年後に22%以上というハードルは低すぎる、との見方がある。 外務省は素案をめぐる非公式の省庁間折衝で、30年時点の再生エネ比率を大幅に拡充するよう経産省に要求した。国際エネルギー機関(IEA)のリポートを元に、日本の再生エネ比率は22年に20~24%に高まる可能性が大きいとする。30年までには40%程度に上積みが可能との見解も示した。政権内で脱原発・再生エネ推進派として知られる河野太郎外相の意向が働いているとみられる。外務省がこう主張する背景には、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」をめぐる交渉で、米トランプ政権とともに日本政府が批判にさらされていることへの危機感がある。今回の素案は石炭火力を「重要なベースロード電源」と位置づけ、高効率化を条件に輸出も推進する文言が入った。環境省も再生エネの推進に積極的だ。30年の再生エネ比率が最大で35%に達するとの試算を公表したこともある。日本生活協同組合連合会は15日、再生エネ比率を「最低でも30%、さらに先進国水準の50%以上を目指すべきだ」などとする要望書を世耕弘成経産相あてに提出。二村睦子・組織推進本部長は「現状維持では主力電源化とはとても言えない」と批判する。再生エネの固定価格買い取り制度による電力料金への上乗せ分は年約2兆円にのぼることを挙げ、「さらに負担を増やすわけにいかない」(エネ庁幹部)と説明する。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S13497315.html?rm=150