にじさんじのくじじゅうじSeason2 OP

にじさんじのくじじゅうじSeason2 OP

魅惑の巴里サーカス急行……。 「あ、楓ちゃん。見てくださいよアレ」 月ノ美兎に肩をつつかれ、樋口楓は窓の方を向く。窓からはきらきらと輝く夜の街の光が見えた。「パリですよパリ!」 美兎は本当に嬉しそうに窓の外の景色を指差した。 ああ、魅惑のエクスプレス。この急行列車は七人と二人を乗せて、虹の星を渡り、今や仏蘭西共和国の巴里に辿り着いた。「でろーんさん、パリってどこの国の首都かわかります?」 剣持刀也の煽ったような問いかけを聴き流しつつ、樋口楓は車窓から見える景色に視線を釘付けにされた。これが巴里か。これがあの芸術の都、流行の最先端の巴里か。「綺麗ですね。まるで星みたい」 静凛も楓や美兎と同じように車窓から景色を見おろし、感慨深そうに呟く。 空から見下ろす巴里の街はシャルルドゴール広場を中心として、凱旋門から伸びた十二本の通りはまるでエトワールの如く夜の世界に煌めいている。ルーブル宮殿のガラスのピラミッドも、かの有名なコンコルド広場も、荘厳にそびえるノートルダムの大聖堂も、世界史の舞台となったヴェルサイユ宮殿も、全てこの巴里サーカス急行から見ることができる。「むぎちゃんと有栖ちゃん、起こしてあげた方が良いかな?」 えるは後ろを振り向いて、座席で眠る二人のことを気遣う。「別にええんちゃう。これから毎週見れるわけやし、今週くらい見れんくても」「寝る子は育つってやつですね」 不意に列車が汽笛を鳴らした。 すると同時に客車に車掌が入って来る。「まもなく到着ですので、席に座るか、つり革に掴まるかして大きな揺れにご注意ください」 背の低い、ピンク色の髪の毛の車掌はにこやかな顔でまた客車から出て行った。 けれど楓はどちらの警告も聞かなかったことにして、そのまま窓際に立ち続けた。「楓ちゃん、そろそろ座らないと危ないですよ」 美兎は心配して席から立ち上がり、楓に寄り添う。凛も同じく楓の傍にやってくる。「ちょっと待ってな」 楓は自分の髪の毛を束ねていた純白のリボンに手をやると、その結び目を解いた。「楓ちゃん?」 そして、虹色の景色に染まった窓を開け放つと、リボンをその虹にあて、虹色に染めた。 虹色に染まったリボンは夜の世界にきらきらと輝き、光を放っている。そう、まるで、ジュブナイルの青春の輝きのように。 ああ、魅惑のエクスプレス。風切る音と、弾む急行列車。走り抜け魅惑のサーカスへ、私を乗せて。 巴里の光がまた広がっていく。【にじさんじのくじじゅうじ Season 2は毎週水曜日夜九時からabemaTVのウルトラゲームスにて放送中!】

http://www.nicovideo.jp/watch/sm34589415