ボカロ2作目です。よろしくお願いします「五線譜を編む」composer,illustration : Okunasuvocal : 初音ミク−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−小さい頃の記憶なんて殆ど無いのに、ある時、ある場面で、胸が苦しくなるほど懐かしくなることがある。「ねえ、これも買って。」とポテトチップスの袋を母親に差し出してねだる子供を見たとき。携帯を持っていないために、口約束で集合時間を決めている子供たちを見たとき。大人になった私は、子ども達よりも制限がなく、自由で、時にそれを子ども達から羨ましがられる。しかし、制限の中の自由は、その時しか体験できない。その中でしか味わえない空気感や感情は、大人になってしまった以上、獲得するのは困難だ。その頃に戻れることを夢見て、時を支配する宇宙を破壊できることを夢見て、いつしかそればかりを考えるようになり、感情の殆どはどこかに捨ててしまった。実現不可能なことをこの手で実現しようとする。実際私の望んでいることだ、少しも間違っていると思わない。しかし、日が経つにつれ、自分を拒み、愚か者だと思うようになった。友達も、お金も、家も何もかも失った。それでも、あの頃に戻りたいという気持ちは、果たして本物なのだろうか、と思ったからだ。五線譜を編むことしかできなくなった、物乞いのお話。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−