【神道シリーズ・シーズン2】第5回・伊勢神道⑤伊勢神宮および宮中での観音信仰の広がり

【神道シリーズ・シーズン2】第5回・伊勢神道⑤伊勢神宮および宮中での観音信仰の広がり

11世紀頃から伊勢神宮では宮司の大中臣永瀬の出家・得度をひ切りに歴代の宮司(大中臣氏)、外宮禰宜(渡会氏)、内宮禰宜(荒木田氏)が次々と出家得度するようになりました。そして彼らの菩提寺のすべて真言宗で十一面観音を本尊とし、当時仏教禁忌だった伊勢神宮で、仏経信仰への願いを断てない神宮の神職たちが「観音菩薩=天照大神」一体論を打ち出すことにより、仏教信仰(真言密教)への接近を図って行きました。その後12世紀になると宮中でも観音=天照論が出現し、天皇の寝室の隣の二間(ふたま)殿に祀られていた天照大神の形見と言われた神鏡が二間観音と同体であるという説が広がり、宮中でも観音信仰が盛んになりました。この神宮や宮中の観音信仰はやがて真言密教による両部神道を誕生(12世紀中葉)させるきっかけとなって行きます。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37593222