新型コロナ対策でも活躍 自衛隊・感染症専門部隊

新型コロナ対策でも活躍 自衛隊・感染症専門部隊

都会の中の駐屯地を奥に進むと、その特殊部隊の隊舎はあります。陸上自衛隊対特殊武器衛生隊。通称、「対特衛」。生物兵器などを使ったテロに対応するための「感染症のエキスパート」が揃った専門部隊です。この日は、新しく着任した隊員に対して、感染症対策の基本である個人防護具着脱の訓練が行われていました。身に着ける防護具は9種類。破損がないか確認します。この個人防護が現場では命に関わってくるため、皆、真剣な表情をしています。教えているのは部隊に来て8年目の矢内唯2等陸曹(放射線技師)。「(ウイルスは)見えなかったり、すぐ計測して分かるものではない」「常日頃から意識して我々、訓練をやっている」もっとも感染リスクが高くなるとされる「脱衣」。重要なのは、スーツの外側に触らず、ゆっくり丸めながら脱いでいくことです。隊員たちも一つ一つ指導を受けながら、慎重に防護服を脱ぐ訓練を行います。対特衛の隊員は約90人。医師、看護師、臨床検査技師などの資格を持つ隊員が多く、首脳会議の開催地などに派遣され、万が一に備えることもあります。新型コロナウイルス第1波に見舞われた今年2月から5月までに、隊員35人がPCR検査や空港検疫、帰国者の生活支援などに派遣されました。医師である伊藤弘毅2等陸尉は「ダイヤモンド・プリンセス」号に派遣され、PCR検査の検体採取などにも携わりました。対特殊武器衛生隊 伊藤弘毅2等陸尉(医師)「ゾーニングの観点が一番大きくて清潔不潔を普段から意識して訓練を行うんですけど、いつもの訓練通りそのまま、ダイヤモンド・プリンセス号でも実践できたかなという形です」日々繰り返している感染症に関する教育や訓練が実際に役に立ったという自信が、いま彼らの士気を高めているといいます。8月のある日。これから3日間にわたって行われる大規模訓練のため、特別な装備を使うといいます。「Bユニット」。正式名は「生物剤対処用衛生ユニット」。畑中弥奈1尉(医師)「Bユニットはドーム型の施設ですけども、細菌兵器やウイルスが使われた時に外に漏らさないようにしつつ、中で患者さんの検査及び治療が行える施設です。自衛隊ではここの隊のみになっています」今回、日本で唯一の特殊装備を使った訓練をテレビカメラで取材することが初めて許されました。2時間ほどで5つのテントが繋げられ、まるで野戦病院のようになりました。「Bユニット」は患者を受け入れる「陰圧病室ユニット」と「検査ユニット」で構成されます。「検査ユニット」は、大型トラック2台。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37622630