ブルライマン

ブルライマン

「お兄さま、やっぱりライス悪い子だ……」久しぶりにライスが落ち込んでいる。最近はトレーニングもレースも順調なはずだが……。「あのね、ブルボンさんとマックイーンさんが私のせいで喧嘩しちゃったの……」聞けばライスのトレーニング方針を巡り、二人の意見が衝突したらしい。ブルボンは自分と一緒にハードな練習を、マックイーンは無理のない練習をライスに勧めたそうだが……。「ライスはふたりのこと好きなのに、ふたりとも幸せになって欲しいのに……!ライスが原因で二人の仲が悪くなって、不幸になって……!やっぱりライスはいらない子なんだ……ライスが居なければ……!」涙を浮かべ歯を食いしばるライスの頭をそっと撫でる。「二人に出会って、ライスは不幸だったか?」きょとんとするライス。「そんなことないよな?二人も同じだ。きっと良きライバルと出会えて最高に幸せだろう。」「ブルボンさんも……マックイーンさんも……おなじ……」「もちろん俺だってそうだ。ライスっていう最高のウマ娘のトレーナーになれて毎日が幸せだ。」「お兄さま……」「二人ともライスのためを想って、ライス自身が幸せになって欲しいと思って、練習方法を提案したんだろう。それでぶつかり合うのはレースと同じ、真剣な証拠だ。」「そっか……二人とも、ライスのことを真剣に考えてくれて……!」「だからこれはお前のせいじゃない、不幸なんかじゃない。むしろ幸せなことなんだ。」顔をあげるライス。その瞳は潤んではいるが、先ほどまでの光を失った瞳ではない。「ライス、ふたりを不幸にしてなかったんだ……!お兄さまのことも不幸にしてない……お兄さまがガチャで大爆死したのも、取り返そうとFXでお金ぜんぶ溶かしちゃったのも、その年齢まで誰かとお付き合いしたことないのも、ライスの不幸のせいじゃなかったんだ……!良かった……!ライス、もう一度ふたりとお話してくるね!!」ライスは光へと駆け出した。俺は苦悶の表情で絶命した。

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