「中国海警局の領海侵入は国際法違反」外交青書に初めて明記

「中国海警局の領海侵入は国際法違反」外交青書に初めて明記

2021年4月27日 12時56分 外務省は、ことしの外交青書をまとめ、中国による海洋進出などについて「安全保障上の強い懸念」と危機感を示したうえで、沖縄県の尖閣諸島周辺で中国海警局の船が領海侵入を繰り返していることなどを「国際法違反」と初めて明記しました。外交青書は、昭和32年から毎年発行されている日本外交の方針や国際情勢をまとめた文書で、27日の閣議で報告されました。この中では、日中関係を引き続き「最も重要な二国間関係の一つ」とする一方、中国による海洋進出や軍事力の拡大について「日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念」と危機感を示し、去年使っていた「地域・国際社会共通の懸念事項」という記述よりも表現を強めています。そのうえで、沖縄県の尖閣諸島周辺で中国海警局の船が領海侵入を繰り返していることなどを「国際法違反」と初めて明記し、中国が海警局に武器の使用を認めた「海警法」の施行を批判しています。さらに、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に関する記述を大幅に増やして懸念を強調しています。また、韓国については、去年と同じく「重要な隣国」とする一方、慰安婦問題をめぐることし1月の韓国裁判所の判決は、厳しい状況にある両国関係をさらに深刻化させるものだとして適切な措置を求めています。北朝鮮については、日米韓3か国で連携して非核化を目指すとともに、拉致問題の早期解決に向けて全力を尽くすとしています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38645484