スメタナ:祝典交響曲 ホ長調 作品6

スメタナ:祝典交響曲 ホ長調 作品6

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=hrVWLkcBA9U )。1853年、スメタナは翌年のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の結婚を祝して、管弦楽曲を作曲して献呈する構想を持ちました。しかし当時、彼はピアノ作品を数多く手がけていたものの、管弦楽曲は「祝典序曲」ぐらいしか作曲しておらず、スメタナ自身も祝典序曲の出来には不満だったと伝えられています。そこで、スメタナはベートーヴェンやメンデルスゾーン、ウェーバー、ベルリオーズの管弦楽曲を研究し、その成果を元に管弦楽曲を作曲しました。これが「祝典交響曲」ホ長調 作品6です。しかし、この作品はオーストリア政府から献呈を拒否されます。理由としては作中のオーストリア国歌の旋律の引用が目立たないレベルであったためとされましたが、実際はスメタナがオーストリアに支配されていたボヘミアの出身であったため「ボヘミア人の作品は婚礼にふさわしくない」と判断されたことが大きいと推測されています。それでも作品の出来に自信があったスメタナは自費を投じて演奏会を開いて初演を行いましたが、オーストリアに支配されているボヘミアでは作中のオーストリア国歌の旋律の引用に不満を持つ人が多く、結局は失敗してしまいます。とはいえ、スメタナは作品を廃棄することはなく、楽譜は保存されました。その後、1860年にスウェーデンのヨーテボリで自身の指揮により再演した際には成功を収め、本作はようやく評価されることとなりました。祝典交響曲は演奏時間が約45分、4楽章構成の交響曲で、ベートーヴェンの「英雄」に匹敵する大規模な作品です。また、第1、第2、第4楽章にオーストリア国歌(ハイドン作曲「神よ、皇帝フランツを守り給え」)の旋律が引用されており、フランツ・ヨーゼフ1世の結婚に対する祝典曲という要素が明確となっています。後世の評論家の間では本作について様々な意見があり、「ハプスブルク家の姫君への祝婚歌」であると酷評する人もいれば、スメタナの代表作「わが祖国」で聴かれる多くの要素が既に含まれていると一定の評価を与える人もいます。スメタナは晩年の1881年に改訂を行っており、彼自身にとって、本作は初めて成功した自作の管弦楽曲(交響曲)として相当な愛着があったことがうかがえます。ローター・ツァグロセク指揮オーストリア放送交響楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38661557