伊能忠敬の日本地図「小図」3枚そろった副本 国内で2例目確認

伊能忠敬の日本地図「小図」3枚そろった副本 国内で2例目確認

2021年5月19日 4時29分江戸時代に伊能忠敬と測量隊が作った日本地図のうち、「小図(しょうず)」と呼ばれる全体図の3枚そろった副本が新たに確認されました。小図は正本が焼失し、3枚そろった副本は国内ではこれまで1例しか確認されていないということで、調査にあたった専門家は「すばらしい発見で、地図がどう仕立てられたのか研究が進むきっかけになる」と話しています。この日本地図は、北九州市にある「ゼンリンミュージアム」に寄贈されたもので、縦が1.5メートルから2.5メートル、横が1.6メートルほどの3枚の紙に、北海道と東日本、西日本の地図が描かれています。日本地図学会の専門部会が調査した結果、伊能忠敬と測量隊が作った日本地図のうち、43万2000分の1の縮尺で全体を3枚に収めた「小図」の副本と判断されました。学会によりますと、伊能忠敬の日本地図は縮尺の異なる「大図」「中図」「小図」があり、幕府に提出した「正本」は明治時代にすべて焼失しています。副本は正本と近い時期に作られたと考えられ、3枚がそろった小図の副本は国内ではこれまで、重要文化財に指定されている東京国立博物館の所蔵資料しか確認されていませんでした。今回見つかった資料には海岸線や地名などが手書きで記されているほか、東京国立博物館の資料にはない、どのように作ったかについての説明も書き込まれています。日本地図学会地図史料・地図アーカイブ専門部会の鈴木純子主査は「伊能忠敬の測量隊が作ったとみられる実物感があり、驚がくしました。本当にすばらしい発見で、地図がどう仕立てられていったのかという研究が進んでいくきっかけになる」と話しています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38758465