イラストを頂きました丸茜さん→ https://twitter.com/marusenz トレセン学園からアパートに帰るとネイチャが台所に立っていた。「今できるから座っちゃっててよ」そう言うとネイチャはフライパンを振り始めた。尻尾を見る限りなかなかご機嫌のようだ。言われるがまま床に座りサイダーを飲み始める。いつもは見ないテレビからも笑い声が響く。「お待たせ~スペシャルチャーハンおあがりよ、なんちゃって」金色のチャーハンからは美味そうな湯気が上がる。砂糖と醤油で甘しょっぱく味付けされた玉子が疲れた体に染みる。細かく刻んだナルトの彩りも楽しく、子どもの頃にお袋が作ってくれたチャーハンによく似ている。そういえばお袋のチャーハン食べて友達の家に遊びに行ったっけ…「その食いっぷりだと味は上々ってカンジ?あはは…」安堵と照れからかネイチャはいつもの幼い笑顔をこぼす。食事が終わるとネイチャはそそくさと帰ろうとする。「待ってくれネイチャ!」俺は無意識に彼女の腕を掴んでしまった。「...ネイチャに言わなきゃいけないことがある」いいおっさんがハッキリ伝えられなくて情けない。彼女は潤んだ瞳と紅潮(あか)くなった表情でこちらを覗く。「ネイチャ…」「俺のアパートの鍵、どうやって開けた?」