「マ、マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるじゃないですか!だ、だから、私とライスさんが一緒にいればプラスになれるんじゃないかと思って……」食堂にて朝食を取っていたライスシャワーが、空席があるのに隣に座って来たメイショウドトウに理由を尋ねると、いつものようにおどおどとしながらそう答えた。「あ、あああの、ライスさんがマイナスだとは私は思っていませんよ!け、けど、ライスさんはそう思っていらっしゃるから……その、『ウマ娘ちゃんが2人並んでるだけでもう掛け算が発生している』ってデジタルさんが言ってたんです。だ、だから、一緒にいるだけできっとプラスになれます!」「そ、そうなの?じゃあ、一緒に食べる?」「は、はい!ご一緒します!って、私の分貰って来るの忘れてました!」話している内に食堂は混雑し始めていた。今から並んでいてはライスシャワーの隣も埋まってしまうかもしれない。「ど、どど、どうしよう~……」頭を抱えるメイショウドトウを見て、ライスシャワーは目の前の山盛りのパンの中から1つ手に取り彼女に差し出す。「えええっ!?そんな、ライスさんの食べる分が減っちゃいますよぉ!」「いっぱいあるから大丈夫だよ」首を振るメイショウドトウにライスシャワーはそう言ってパンを持たせた。確かにパンは高く積まれているが、ライスシャワーが見た目に因らず健啖家であることはメイショウドトウも知っている。「うぅぅ……ごめんなさいライスさん。さっそく物理的なマイナスが発生してしまいましたぁ……」しょぼくれながらパンを齧るメイショウドトウだったが、急にハッとしたように顔を上げパンを食べきり、新たなパンを手に取ってライスシャワーに差し出す。「えっ?」「りょ、量をマイナスにしてしまいましたので、労力も減らしちゃいます!あ、あ~ん」「ええっ!?き、気にしなくていいよ!」意図を察したライスシャワーは顔を赤くして拒否するがメイショウドトウは譲らない。観念したライスシャワーははずかしそうに周囲を見回し髪をかき上げながら、口を開けて差し出されたパンを頬張る。「ど、どうですかぁ~?」「お、美味しい、よ……じゃあ、今度はライスが」「ええっ!?分けてもらったお返しですよぉ!?」「はずかしいけどちょっと楽しいから…だめ、かな?」「い、いえ……」その後も互いに恥ずかしがりながら食べさせ合いっこを続けた2人。いつもより時間はかかったが、心は確かにプラスになれたひと時だった。その後、食堂で冷たくなっているアグネスデジタルが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った。グラブル動画マイリス【 mylist/58869721 】