竹馬あおです。縋想、最終章です。前作「青春デッドロック」 → sm39536660 次作「あさっての蒼穹まで」 → sm41903690 祈って、祈って、祈って、祈るしかないと分かってても、春はまたやってきて、縋る想いは褪せてゆく。褪せてゆくような縋想の欠片を、集めて、集めて、集めて、いちばん大切なものであるかのように、今日も縋ろうとする。2021.12.18『縋想』 第4章音楽 竹馬あお文字 佐薙概念絵 犬吠埼いつき歌 可不小説 → https://kakuyomu.jp/works/16816452221336787001 歌詞ぜんぶ僕の所為なのに 勝手に辛くなってごめんね息が白んでいた 18回目の冬が来たキミはもう覚えてないだろうな 贖罪なんて自己満足だ幸せを知らなければ 不幸を知らなかった悲劇ばかりの人間は 喜劇なんて想像もできないからだったら僕はいっそ、不幸のままでいいさ夢から覚めて毒虫になっていても 怯えてもらえたならよかったグレゴール、彼は幸せだったんだな冬の空気で痛む喉が 歌を歌おうとまた声を上げるどこかで幸せなあのキミに 捧げるこの祈り 届かなくていい 冬の所為で今年も死ねなかった 人生なんていらないさ架空の感傷、消えないでいるキミは望んでなどないのに 勝手に縋りついてごめんね大人になった 大切な人が出来た喉に刺さった小骨 抜けずに死んだように生きる愛を知らなければ 罪を知らなかったどうせ嫌われるなら最初から愛さないから壁の影絵が幻だったとしても 美しければ何でもよかったウェルテル、彼は幸せだったんだな僕に殺されたあの夏が 僕を殺そうと近づいているぜんぶ嫌いになれないこの僕に 幸せな未来 望めなくていいキミの所為であの時生きられなかった 将来なんていらないさ 影が伸びる自販機 人の為なんて偽りだし防波堤のラムネ 信じるなんて嘘じゃないか夕日差す音楽室 この人生は仮定だ玄い冬も終わるみたいだ。また青い春が来る。春の陽気で溶ける輪郭 時空がゆがんでまたキミに会える今も醒めないこの夢に 捧げるこの祈り 届いてくれよ桜吹雪にまた後ろ姿が見える 現実なんていらないさ偽物の記憶、傷ついている。この想い出に、縋っている。縋想。