ウチは、ホモです!.ggst3

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辺境の街に現れた賞金首を討伐して身柄を引き渡したブリジットは次の街へ移動する為、寂れた駅構内のベンチに座って汽車を待っていた。旅は道連れとはよく言ったもので、人当たりの良い容姿をしているブリジットは道中話し掛けられるも多く、親子連れの観光客と席を共にすることもあった。「君可愛い恰好してるね。隣街に行くの?あっ、飴ちゃん食べる?」しかし、二人しかいない構内でわざわざ隣に座って来た赤い髪の女は白いライダースーツのような纏い、女のプロポーションの良さがハッキリと浮かび上がっている。顔も端正な顔立ちをしていて、そんな女が子供のように目を輝かせているのだから対処に戸惑っていた。「う、ウチは大丈夫です」「そう?美味しいよ?」女は断られた棒付き飴をそのまま口に咥えたが、ブリジットの困惑はまだ収まらない。格好だけならまだしも、頭上に浮かぶ破損した天使のような輪っか。足首に付けられている鉄球。どう考えても只者ではなく、ブリジットの脳裏には同じく異様な出立をしている赤い男が過ぎっていた。「それで?何で女の子の格好をしてるの?趣味?」「っ、男ってよく分かりましたね」「え?匂い……かな?」自分で言い当てたのにも拘らず女は何故分かったかは理解しておらず、ブリジットも驚かれるよりは幾分マシかと思って名乗った。赤い髪の女、ジャック・オーが見せる爛漫な笑顔はラムレムザによく似ていて、打ち解けた二人は世間話で盛り上がり、親交を深めていた。「あははは!そのお猿さんの顔が見てみたいな!」「何度も顔と下半身を見比べてたんですから。お陰で捕まえるのも簡単でしたけどすっごい複雑だったんですから」鉄板ジョークでもある温泉街に現れた下着泥棒の猿を捕まえた話をブリジットがすると、ジャック・オーは腹を抱えて笑い、足をバタバタと振るっていた。「ねぇブリジット君」「はい?」「君って童貞?」笑い疲れたジャック・オーの何の脈絡もない質問にブリジットは思わず噴き出した。「いきなり何ですか!?」「私、君に凄い興味が湧いちゃった。良ければもう一日この街に居ない?」何がジャック・オーの琴線に触れたのか分からないが、明確な誘いにブリジットは困惑せざるを得なかった。「君が女の子とどう接してるのか、私に教えてくれない?」ジャック・オーは自分が咥えていた飴をブリジットの口元に寄せている間にも遠くから汽笛が聞こえ、ホームに居れば乗務員が気を利かせて待ってしまうかもしれない。ブリジットが目の前の飴を咥えた時、過熱した好奇心は、危険な領域へと突入する。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm40990582