【読み上げ】『羅生門』芥川龍之介

【読み上げ】『羅生門』芥川龍之介

①羅生門 平安京の正門に当たる市中最大の楼門。羅城門。②蟋蟀 今のコオロギのこと。③朱雀大路 平安京の中央を南北に貫通する大通り。④市女笠 漆塗りの中高のすげ笠。ここでは、それをかぶった女。⑤揉烏帽子 柔らかいもんでしわのある烏帽子。ここでは、それをかぶった男。⑥洛中 京都の市中。⑦旧記 古い記録。この部分の記事は『方丈記』に見える。⑧鴟尾 宮殿などの棟の両端に取り付ける、魚の尾の形をした飾り。⑨襖 襖子(あおし)。腋(わき)をあけた仕立ての庶民の衣服。⑩sentimentalisme (フランス語)感傷的な態度。⑪申の刻下がり 午後四時過ぎ。⑫築土 土塀。⑬火桶 木をくり抜いて作った丸火鉢。⑭山吹の汗衫 山吹色の下着。⑮聖柄の太刀 柄が木のままで、飾りのない太刀。⑯鞘走らないように 刀身が鞘から抜け出ないように。⑰檜皮色 ヒノキの樹皮のような赤黒い色。⑱「頭身の毛も太る」 『今昔物語集』などにこの種の表現が見られる。身の毛もよだつような感じをいう。⑲弩 ばね仕掛けで矢や石を発射した大型の弓。⑳執拗く じいっと。しぶとく。㉑検非違使の庁 平安時代、京都の町の司法・警察の任に当たった役所。㉒ひき ひきがえる。㉓四寸 一寸は、約3.03センチメートル。㉔太刀帯の陣 平安時代、東宮坊(皇太子に関する事務を執った役所)に属し、帯刀して護衛の役をした者の詰め所。㉕疫病 流行病。㉖菜料 おかず。元来は食費の意。㉗引剥 むりやりに衣服を引き剝がすこと。追い剥ぎ。㉘黒洞々 真っ暗で、深い洞穴のような、の意。芥川龍之介 1892年〔明治25〕~1927年〔昭和2〕東京都に生まれた。小説家。主な作品に、『鼻』『地獄変』『舞踏会』『河童』『歯車』などがある。「羅生門」は、1915年〔大正4〕、雑誌『帝国文学』に発表された。本文は『芥川龍之介全集』(1997年刊)による。無料テキスト音声合成ソフト : VOICEVOX

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