「水鏡」~二対のクラリネットとファゴットのための

「水鏡」~二対のクラリネットとファゴットのための

※この動画の音源はPCによる演奏です(Clarinets: WIVI Woodwinds/ Bassoons: SWAM Bassoons / DAW: Cubase8.5)「おとつくらぼ」第3回演奏会にて初演されました。初演時の録音はこちらからお聴きいただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=Ak1lCGxunyc <プログラム・ノート> FACEというお題から浮かんだうちの一つが、鏡に向かう像と、鏡の中に映る像が「向かい合っている」イメージだった。風景が水面に映り込んで、上下対称の美しい鏡像を作る水面鏡からインスピレーションを貰えればと思い、タイトルとした。 曲は、1対または2対の、反行形で動く線(あるいは点)を基本として構成されている。反行形とはあるメロディに対して、音が上がる(高くなる)ところは下がって(低くなって)、下がるところは上がるという風に、メロディの上下を反転させた音形、フレーズのことである。楽譜上で見ると、ちょうど2つのパートの間に鏡があって、上下逆さまに映っているようになる。時折、2つの音を交互に奏するトレモロのみを全員で奏するセクションを挟んで、揺れる水面を表現した。この部分についても、反行形を作っている。全体を通じて、分かりやすいメロディが繰り返されるような構造にはなっていない。その代わりに、曲全体を通じて、あるいは隣り合うフレーズ間において、少しずつ共通の要素を散りばめることで曲に秩序と統一感をもたせることができないかを探った。 

http://www.nicovideo.jp/watch/sm41264321