石切丸には、自分はにっかり青江とそれなりに親しい友人だという自負があった。故に、彼がどういう性質を持つ刀なのかもある程度知っている。他の本丸のにっかり青江がどうかは知らないが、自分の知るにっかり青江が何か他のものに憑かれることは、以前にもあった。今回のように本丸全体に知れ渡るほどの騒ぎにならなかっただけだ。他の刀にも見えないものが見えている。それらがどこから現れ、どうやって消えていくのか。そのすべて。思うに、彼はそれらに寄り添いすぎてしまうのだろう。結果、心の隅間を見せてしまうのだ。きっとそれは油断ではなく、優しさ故に。そしてそれは同派の天下五剣もまた然りなのだと思う。本丸内のどこかで定期的に行われている遊戯。興味を持つ刀もいれば、我関せずと己の使命に邁進する刀もいる。銘々、それはこの本丸の日常として扱っていたはずだ。今回それがこんな騒ぎに発展したのは、数珠丸が正常な刀剣男士にあるまじき行動をとったからだった。彼らの状態を危険視する者も当然現れ、定例会議の議題にまで上がることとなった。結果的に、主の判断により監視の下現状のまま続行することになったが、いまや本丸内の大多数の刀がこの記録を気にしている。また数珠丸が、何か危険なことをしてしまうのではないか、と。しかし石切丸は。危険なのはむしろにっかり青江のほうではないか、と思っていた。この『 』というシナリオを把握している数少ない者が、神妙な顔で主に何か進言しているのを見た。彼らにはもしかしたら、にっかり青江に憑いているものがわかるのではないか。数珠丸が危険な行動をとったのは、何かに憑かれた青江が囁いたからではないか?彼らの声が聞こえてくる部屋の外で、石切丸はそんなことを考えていた。『 』8日目への広告御礼。飴子様、ころちゃん様、エアー様、akiz様、ツバサ様、嘉晴様、みおぎょ様、美濃国審神者様、ねこ丸様、しろくろねこ様、桜乙様、神前様、イオ様、もち様、木蓮様、若竹丸様、Bobbin様、sor様、あり様、フリー素材あそび様、藤好様、みや様、世帷(yoi)様、石見国審神者様、Clowdear様、広告ありがとうございました!前回→ sm43238763 前作【神喰い堕鬼譚】→ sm37398211 前々作【天蓋の灯火】→ sm35878045